政界サラブレッドの岸信千世氏(中央)
今回の衆院選において、注目選挙区のひとつであるのは、山口2区だ。自民前職の岸信千世氏と中道元職の平岡秀夫氏の3回連続の一騎打ちとなった。信千世氏は曽祖父が岸信介・元首相、曽祖叔父に佐藤栄作・元首相、そして伯父が安倍晋三・元首相という政界サラブレッドだが、栄華を誇った名門の岸・安倍家でいまやただ1人の候補だ。しかも、前回総選挙では平岡氏にわずか約1700票差の薄氷の勝利だった。
その信千世氏が頼みにするのは今回も亡き伯父、安倍氏の威光のようだ。安倍氏の後継者を自任する高市首相の人気にあやかる効果も期待できる。山口は知事選とのダブル選挙だが、信千世氏は地元・岩国市での知事候補の演説会(1月28日)に伯母の安倍昭恵夫人とともに出席。常に一緒に行動し、演壇でも“上座”の昭恵夫人の隣に座る。
演説に立った昭恵夫人は、「主人が可愛がっていた信千世のために、私も応援をしたい、皆さんに、お願いしたい、そんな気持ちで今日は、信千世のことも一言言わせてくださいな、という風に思って参りました」と知事選より信千世氏の選挙応援に熱が込もっていた。
ところが、肝心の信千世氏は着席中に足を床にしっかりとつけず、髪を整える動作を繰り返すなど、落ち着かない。信千世氏の演説では、知事選の応援に駆けつけた弁士の名前を紹介しながら、「公明党の上岡先生、国民民主党の……(沈黙)先生、すいません」と、なんと名前をど忘れ。
しかも、演説会の途中で知り合いらしき20代前半に見える女性が遅れて入ってくると、壇上からハンドサインを送ったり、スマホを向けたり。演説会終了後は昭恵夫人と信千世氏に握手を求める列ができ、件の途中入場した若い女性が友人たちと近づいてくると、信千世氏は「来てくれたんだ」とニッコリ。会場を後にした女性たちからは「ナマ千世」と呼ぶはしゃいだ声が聞こえた。
「山口2区は候補者2人だけで前回あれだけ危うかったのだから、今回は一層、安倍家の威光と高市人気におんぶにだっこにならざるを得ない」(地元政界関係者)
●山口2区 候補者一覧
平岡秀夫(72)中道
岸信千世(34)自民
※週刊ポスト2026年2月20日号
