ライフ

多くの人が悩む固有名詞欠落 忘れないための有効な対策法は

 中高年になると、よく知っているはずの固有名詞を思い出せなくなったり、これからしようと思っていたことをすぐ忘れてしまったりという経験が増える。「もしかして、ボケ始めたんじゃないか」──そんな不安を抱いたことのある人は少なくないだろう。

 それでは、多くの人が悩む「固有名詞の欠落」はなぜ起こるのか。人間の記憶は長期記憶と短期記憶に分けられる。長期記憶の代表的なものが「エピソード記憶」だ。たとえば「4月の入社式の後、同期とカフェでお茶を飲んだ」というような記憶。日時や場所など様々な情報を物語のように関連づけながら記憶されるため、長く覚え続けられる。車の運転方法やダンスの振り付けなど、体で覚えた記憶は「手続き記憶」と呼ばれ、やはり長期記憶の一種だ。

 一方の短期記憶に属する代表的なものが、まさに人名や地名などの固有名詞だ。こちらは一時的に必要な記憶であるため、いったん用が済んでしまうと忘れやすい。ちょっとした家事や買い物を忘れるのも理由は同じである。

 たとえば「○×さん」という知人の名前はあくまで認識するための「記号」にすぎず、知人であることさえ認識していれば、その名前が「□△さん」でも「◎▽」さんでも構わない(相手が不快に思うとしても)。固有名詞を忘れやすいのは、脳にとってそれが長く覚えておく必要性が低い短期記憶だからなのである。

 そこで、忘れないための対策は固有名詞を「エピソード記憶」として出来事に関連づけて覚えることだ。例えば「野球が下手なのに(←一緒に草野球をしたエピソード記憶)長嶋さん」、「下戸なのに(←酒席をともにしたエピソード記憶)酒井さん」などと覚えれば、より記憶は定着しやすくなる。

※週刊ポスト2014年7月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン