それに比べると日本は、政府が「YOKOSO! JAPAN」をスローガンにした外国人旅行者の訪日促進活動「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開していながら、実際の出入国管理は、すべての訪日外国人が犯罪者の可能性があるという前提で行なっている。この発想は19世紀のレベルであり、完全に間違っていると思う。
2013年6月にタイ人とマレーシア人へのビザ(査証)免除を実施し、今後はインドネシア人を対象にビザ緩和措置(※)を導入するというが、その程度ではお話にもならない。(※ICパスポートの所持者を対象に、事前登録すればビザ申請手続きが簡素化される)
どこまで出入国管理を緩和すべきかということについては議論の分かれるところだろうが、せめて日本を何度も訪れていて何も問題を起こしていないアジアの裕福な人たちについては、ビザなしで自由に出入りできるようにすべきだと思う。
具体的には、たとえば政府が相手国と協力し合って共有可能なデータを蓄積し、日本に5回以上来ていて一度も問題を起こしていない人については、国籍に関係なく“優良訪日外国人ナンバー”を付与して、スマートフォンなどのGPSで管理しながら、たとえば6か月以内なら滞在してもかまわないし、別荘やマンションなどの不動産も自由に購入できるようにするのだ。
そうすれば、アジアの富裕層は日本にやってきて長期滞在するはずだ。とくに「反日」「嫌日」と言われる韓国人は、実は日本が死ぬほど好きなので、いっそう増えるだろう。現に国別の訪日外国人客数を見ると、常に韓国がトップなのである。
※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号