ビジネス

ハリポタ特需に沸くUSJ 第2パークとカジノで外国人誘致へ

 7月15日、関西テーマパークの雄であるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、約4ヘクタールという広大な敷地に450億円の巨費を投じて新エリアを開業する。

 映画「ハリー・ポッター」の世界をテーマに、「ホグズミード村」や「ホグワーズ城」といった映画さながらの景色を再現。4K映像を駆使して登場人物と冒険している感覚が味わえるアトラクションもあり、長蛇の列ができること請け合いだ。

 2013年度の入場者数が開業以来2度目となる1000万人超え(1050万人)を果たしたUSJだが、今年度はさらに200万人増を狙っているという。また周辺のオフィシャルホテルや旅行会社のツアーなどは、すでに昨年の5~6倍の予約を受注しており、夏休みを挟んでもしばらく“ハリポタ特需”は続きそうだ。

 そもそも、東京ディズニーランド&ディズニーシー(千葉)の来場者数が過去最高の3129万人を記録するなど、国内の遊園地・テーマパークは総じて客足を伸ばし続けている。経産省の調べでは全体の売上高は4年連続で前年度を上回り、2013年度も16.6%増の5893億円となった。

 近年のテーマパーク人気の背景について、公益財団法人日本生産性本部・余暇総研の主幹研究員、志村武範氏が解説する。

「2012年に団塊のシニア世代が65歳を迎えて、退職後の時間やお金を自由に使えるようになったことが、レジャー市場を押し上げる要因になっています。株高や円安の影響で余剰資産を国内の余暇に使いやすい環境にもありますしね。

 また、団塊ジュニアがちょうど遊び盛りの子育て世代に入っているので、ディズニーランドやUSJなど3世代が同時に楽しめるテーマパークが売上高を伸ばしている傾向にあります」

 さらに、国内のテーマパークがこぞって力を入れているのがインバウンド(訪日外国人旅行)誘致だ。

 特にUSJは関西国際空港がハブ空港に成長したことや、外資系ホテルの増加、「あべのハルカス」など新名所の誕生により、関西を訪れる外国人客の増加を見込む。USJがディズニーリゾートの外国人客122万人に匹敵する年間100万人の目標を掲げていることをみても、期待の大きさがうかがえる。

 だが、「関西だけでは海外からの集客にも限界がある」(大手旅行会社幹部)と指摘されているのも事実。そこで、USJがインバウンド強化のために動き出しているのが、「第2テーマパーク建設」と「カジノ誘致」である。

「経営改善のため2009年に上場廃止していたが、来年夏に再び上場する検討を始めている。そこで市場から調達した資金を元手に、アジアの富裕層やリピーターを確保しやすい九州・沖縄地区を有力候補地として、新テーマパークをオープンさせたい意向。

 また、USJがもっとも実現させたいのは、カジノを目玉とする統合型リゾート(IR)の運営。国内では治安悪化や依存症を増やすとの懸念から反発が多く、カジノ法案審議も次の国会に持ち越されたが、解禁されれば大量の外国人客を呼び込め、最大のビジネスチャンスとなる」(経済誌記者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン