「日経平均が1万4000を割り込もうとすると、突然大きなロットの買い注文が断続的に入っていました。数日に一度、壁を崩そうとするように海外機関投資家からまとまった売り注文が出ていましたが、そのたびに大量の買いが入って売りを吸収し、相場を維持していました。ディーラー仲間の間ではもっぱら『公務員共済からの買いが入っていた』と噂されています」
ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーをはじめ多くの外資系証券会社で日本株アナリストなどを務めた経験がある島義夫・玉川大学経営学部教授はこう語る。
「私も共済の資金が多く流れ込んだと見ている。年金資金を現場で運用しているのは各信託銀行です。その信託銀行経由の買いが多かった。では厚生年金や国民年金の資金による買い注文かというと、そうは思えない。
5~6月は信託銀行がどんどん株式投資を増やしている形跡があるが、その時期、すでに厚生年金・国民年金の資金は定められた投資先の配分のほぼ上限まで国内株式を持っていたため、大量の買い増しはできない状況にあった。信託銀行経由で、市場に大きな影響を与える資金といえば年金資金くらいしかない。厚生年金・国民年金でないなら、消去法で『公務員共済が買っている』といえるだろう」
※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号