国内

日本の市区町村議選の当選確率は82.6% 地方議員は多すぎる

 辞職した野々村竜太郎兵庫県議の騒動が示すように地方議員は、議員報酬の他に「政務活動費」、議会出席の日数に応じて支払われる交通費名目で、実質的な日当にあたる「費用弁償」を支給されるなど手厚い待遇を受けている。これだけの待遇を得られるのだから、さぞかし議員は激務なのかと思われるが、そうではない。

 全国市議会議長会によれば、市議会の定例会及び臨時会を合わせた全会議の平均会期日数は86.2日だ。これだけでも少なく感じるが、土日などの予備日や、午前中で終わる日も含まれており、実際に審議をしているのは年間たったの40日程度。

 こんな気楽な稼業はなかなかない。そんな“いいご身分”の割に、その身分を手に入れるハードルはさほど高くはない。

 件の野々村氏は町長選1回、市長選2回、県議補選1回の計4回落選しており、会見でも「選挙は大変」と語った。だが、NPO法人「ドットジェイピー」の2010年3月の調査によると、市区町村議選の平均倍率は1.21倍。当選確率に換算すると82.6%だった。

 立候補者数が議員定数と同数か下回ったため、「全員当選」となった自治体も150市町村以上あった。市区町村議の待遇は都道府県議よりも落ちるが、地方議員は広き門なのだ。

 逆にいえば、日本の地方議員は多すぎるということである。たとえば、人口227万人の名古屋市は議員定数75人。だが、同規模のアメリカ・ヒューストン市はたったの14人、人口385万人のロサンゼルス市でさえ15人しかいない。

 まずどれくらいの議員が不要なのか、“政務調査”すべきではないか。

※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号

関連キーワード

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン