投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の7月22日~7月25日の動きを振り返りつつ、7月28日~8月1日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は上昇。地政学的リスクへの警戒が和らいだことに加えて、決算シーズン入りとなる中で、注目企業の出足が好調なことが、安心感につながった。米国ではインテルのほか、フェイスブックの予想を上回る決算が、足元で不安定な値動きが続いていたモメンタム株への物色に波及。国内においても、日本電産<6594>、ファナック<6954>、中外薬<4519>などの決算がポジティブ視された。
連休明けにギャップ・アップをみせた日経平均は、本格化する決算を見極めたいとの模様眺めムードもあり、25日線が位置する15300円辺りでのこう着が続いていた。しかし、決算評価の流れが目立つなか、週末にもち合いを上放れた格好となった。これにより、マレーシア航空機撃墜などの地政学リスクが嫌気されて下げた部分を吸収している。
今週は主要企業の決算発表の第1弾のピークとなる。これまでの動きでは好決算が確認された銘柄には資金が向かいやすいようである。材料出尽くしといった流れにならないことで、今週以降への期待感が高まろう。もっとも、予想を下回る内容となれば、嫌気売りにつながるため、次第に様子見ムードが強まる相場展開になりやすい。
介護・支援ロボット、燃料電池、首都インフラといったテーマ株の一角などの物色もみられるが、それ以上に決算等を手掛かりとした物色が目立っている状況であろう。好決算が続くようだと、しばらくは決算を手掛かりとした業績相場に向かいやすい。一方、慎重姿勢が強まってくると、やはり、テーマ株などに柱が欲しいところである。
そのほか、米国では29、30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。8月1日には7月の米雇用統計が発表される。主要企業の好決算がみられるようだと、雇用統計への警戒感はそれ程強まらないだろう。