国内

平均寿命130才も可能と期待の長寿遺伝子 腹7分目が重要

 7月末に2013年の日本人平均寿命が発表された。男性は初めて80才を超える80.21才(世界4位)、女性は86.61才(世界1位)でいずれも過去最高を更新した。そんな長寿大国・日本には今や100才以上の高齢者が5万人超暮らしている。

 長生きするのであれば、健康でキレイでいたいもの。そんな中で注目されているのは、「平均寿命130才も可能にするのでは」とも期待される「長寿遺伝子」の存在だ。

「老化や寿命を司る遺伝子のことで、人の細胞のなかにある遺伝子約2万3000~2万5000個のうち長寿遺伝子は50個から100個くらい存在しているといわれています。なかでも話題になっているのが、サーチュイン遺伝子です。米国で行われた実験によるとサーチュイン遺伝子を活性化させたことでショウジョウバエで約30%、線虫では約50%寿命が延びました」

 と話すのは『100歳までボケない101の方法』(文春新書)の著者で順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授の白澤卓二氏だ。

「サーチュイン遺伝子は老化をもたらすとされる『酸化ストレス』や『免疫細胞の暴走』を抑えて老化の進行を遅らせることができる。肌、血管、脳などを若く保ち、寿命を延ばす働きがあるといわれています。しかし、普段は眠っていてスイッチがOFF状態。働いていないのです」(白澤氏)

 スイッチをONにする方法のひとつは、「摂取カロリーを減らすこと」だという。米国で行われた実験ではアカゲザルに普段よりカロリーを30%カットしたエサを与え続けたところ通常のエサを与えられたアカゲザルよりも生存率が高く毛並みにツヤが出るなどの結果が出た。

「目安としては、食べる量を『腹7分目』に抑えておくことですね。ただし、カロリーは抑えても、栄養素はきちんと摂取すること。具体的にはご飯やパンなどの糖質を控え目にし、肉や魚などのたんぱく質はきちんと摂って、ビタミンや食物繊維などが含まれる野菜を増やす。赤ワインなどに含まれるポリフェノールも長寿遺伝子を活性化するのに有効です」(白澤氏)

 アルツハイマーや認知症の予防にも効果があるというサーチュイン遺伝子。「腹7分目」を忘れずに、ぜひスイッチONを目指したい。

※女性セブン2014年8月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト