ライフ

盆踊りの輪が都市部でも 「ゆるいつながり」求め若者も集結

「あまちゃん音頭」やHIPHOPアレンジなど、今時の盆踊りが人気

 日本の三大盆踊りである阿波踊り(徳島県)、郡上踊り(岐阜県)が、今週末にかけてクライマックスを迎える。最近では、人気アーティストが盆踊りを創作したり、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽を担当した大友良英さんが盆踊りをテーマにしたCDをリリースするなど、盆踊りの古いイメージを一新する取り組みも活発だ。また、元来盆踊りは土地に根差したものだが、今や阿波踊りが全国に広がるなど「越境」によっても、盆踊りの輪は広がっているようだ。

 時折雨の交じる東京・池袋で今月10日に開催された「にゅ~盆踊り」。今年7年目を迎えた盆踊り大会だ。目玉は、ダンスカンパニー・コンドルズ主宰の人気ダンサーで、豊島区在住の近藤良平さんが創作したオリジナル盆踊り。ハイタッチをしたりペアになるなど、人と人の輪を生み出すユニークな振付が人気を集める。

「たまたま池袋を歩いていたら、会場の方に踊りませんかと誘われたので参加してみました。一人参加で、踊りを知らなくても、簡単なので大丈夫でしたよ。ちょっとした運動になりましたし、周りの人と仲良くなれるので、出会いの場にもなるかもしれません。来年は浴衣を着て参加したいですね」

 こう語るのは、今年参加した20代女性。ふらりと参加できる気安さと、踊りをリードする人を配置する運営の細やかさなどによって、4000人以上を動員する夏の風物詩へと成長した。

 都内では月末にかけて、オリジナルの「六本人音頭」を踊る六本木ヒルズ盆踊りや、「東京音頭」の原曲として知られる「丸の内音頭」を踊る、日比谷公園丸の内音頭大盆踊り大会が開催される。また、徳島に次ぐ規模で盛り上がる東京高円寺阿波おどりや、原宿表参道元氣祭スーパーよさこい2014が控えるなど、地方発の踊りもすっかり根付いてきた。

 盆踊りの音楽も多様化している。あまちゃんのテーマソングでお馴染みの大友良英さんは「あまちゃん音頭」や「地元に帰ろう音頭」などを収録した、スペシャルビッグバンドによるミニアルバム『ええじゃないか音頭』を先月リリースした。

 大友さんが盆踊りにはまったのは東日本大震災後だった。福島育ちの大友さんは震災後、福島を元気づけたいと「プロジェクトFUKUSHIMA!」を立ち上げる。昨年の8月15日に開催した「納涼!盆踊り」で盆踊りに魅せられ、今年は福島のみならず、各地に遠征して盆踊りのプロデュースも行っている。2020年の東京オリンピックに向けて、6月に東京都が開いた日本文化の海外発信を検討する有識者会議では、「盆踊りを『盆ダンス』としてはやらせては」と提案して話題を呼んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン