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ヒラリー氏に距離を置かれるオバマ氏 国際的にも孤立深める

 オバマ米大統領が前任者の轍を踏もうとしている。8月8日から米軍はイラク北部で勢力を広げるイスラム過激派「イスラム国」に対する空爆を開始したが、早くも泥沼に嵌まった。

 敢然とオバマ批判を展開したのが、ヒラリー・クリントン氏だ。10日に発表された米誌のインタビューで、「中東での過激派の台頭は、権力の空白を作ったオバマ氏の中東政策に原因がある」と指摘。

 さらに「オバマ氏が掲げる“ばかげたことをしない外交”というキャッチフレーズは、大国が持つべき体系化された方針ではない」と一刀両断した。

「オバマ氏の支持率が過去最低の30%台に落ち込む中、2年後の大統領選出馬に意欲を見せるヒラリー氏がオバマ氏と距離を置こうとしている。

 共和党からもヒラリー氏と同様の批判が上がる一方、民主党リベラル派からは“米軍の行動による解決は無理”という厭戦論が出ている」(在米ジャーナリスト・高濱賛氏)

 国際的にも孤立を深めている。EU(欧州連合)はイスラム国への非難声明を出したものの、軍事行動の参加には否定的だ。

 EUの懸念は、イラク攻撃がウクライナ紛争の悪化を誘発することにある。ロシア政府は「米国がイラクに介入するなら、我々がウクライナに介入することを批判される理由もない」との姿勢を鮮明にしているからだ。

 また、米国が「混迷を招いた」と責任転嫁してイラクのマリキ首相を退陣に追い込んだことで、梯子を外されたマリキ支持派が反発している。

 イスラエルと交戦状態が続くパレスチナの過激派もイラク空爆を受けて「対米、対イスラエルのジハード(聖戦)」を呼びかけるなど、中東のさらなる混乱は避けられない情勢だ。

 11月の中間選挙の苦戦が確実視され、レームダック化がはっきりしてきたオバマ政権。イラクに介入した末に国内外からの批判を浴び、米国の失墜を招いたブッシュ前大統領から何も学んでいない。

※週刊ポスト2014年8月29日号

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