ライフ

男性痛風患者の8割が遺伝子に変異持つ 発症リスク最大22倍

 血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続くと、尿酸が結晶化して足の親指の付け根や足首などの関節に溜まり、炎症を起こし激痛が走る。これが痛風発作だ。尿酸はビールやレバー、魚卵などに多く含まれるプリン体が分解された最終産物で、肝臓で産生され腎臓や腸で排出される。

 暑くなると、発汗などで血液の尿酸濃度が高くなり、痛風発作が起こりやすくなるといわれている。日本人患者の約99%が男性で、中年以降の発症が多い。防衛医科大学校分子生体制御学講座の松尾洋孝医師の話。

「同じような食生活を続けても、痛風を発症する人と、しない人がいます。そこで痛風の男性患者705人を調査したところ、尿酸の排泄機能に働く尿酸排泄輸送体ABCG2遺伝子に変異がある人が約8割に上り、痛風のリスクが3倍以上に高まることがわかりました。

 近年、若年者の痛風発症が増えています。ABCG2遺伝子に変異のある人は、ない人に比べ発症リスクが最大で22倍も高く、若年性痛風の原因として遺伝子の変異が重要であることがわかりました」

 まずは自分の遺伝子変異のタイプを知り、早期の予防や治療を開始することが大切だ。現在ABCG2遺伝子検査は、全国の病院やクリニックでオーダーできる(費用は約1万3000円)。また、痛風治療を適切に行なう痛風財団認定の痛風協力医療機関の整備が進み、松尾医師も痛風協力医療機関わかさクリニック(埼玉県所沢市)で診療を行なっている。痛風は1~2年かけて尿酸値を6.0ミリグラム/デシリットル未満にすれば、完治も可能だ。

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2014年8月29日号

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン