ライフ

田中将大が受けたPRP治療 難治性皮膚潰瘍にも効果発揮

 PRP(多血小板血漿/たけっしょうばんけっしょう)治療は、ヤンキース田中将大投手の肘の腱部分断裂にも用いられた。血小板が含有する増殖因子が細胞の組織修復能力を高める特徴を利用した再生治療の一種で、患者自身の血小板を濃縮して患部に塗布し、創傷治癒を目指す。当初インプラント埋入の歯科で利用され、現在は糖尿病性壊疽など難治性皮膚潰瘍治療として先進医療に承認され効果を上げている。

 血小板は血液に含まれる血球成分の1つで、ケガなどで血管が損傷したときに集まり、止血する働きが知られている。しかし、血管内が傷つくと、血小板が凝集して血栓を作るため、血液ドロドロの主犯とみられイメージがよくなかった。近年、研究が進み、血小板は止血だけでなく、創傷治癒のプロセスに深く関係していることがわかった。聖マリアンナ医科大学形成外科・幹細胞再生医学(angfa寄付)講座の井上肇特任教授に話を聞いた。

「ケガをすると血小板が傷口に集まり、止血した後に創傷治癒が始まります。血小板は血管内皮増殖因子(VEGF)や上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)など様々な細胞の増殖を促す因子を含有し、創傷治癒のスイッチとしての働きをしているのです。2005年に血小板を効率よく濃縮し、治療に使うと、組織再生効果があるという報告がなされました。これがPRP(多血小板血漿)治療です」

 PRP治療は、歯科分野で最初に使われた。インプラント埋入の土台となる骨の再生を促すことを目的に、PRPでより確実にインプラント埋入が可能になった。その後、整形外科分野でアスリートを対象としたアキレス腱や肘や膝など関節障害や腱の部分断裂治療に用いられている。

 アスリートはドーピング問題があり、ステロイドなど薬を用いた治療が行ないにくいことや手術では選手生命を縮める可能性があることから、特に欧米でPRP治療が積極的に行なわれている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン