ライフ

片付け苦手な80才母 冷蔵庫掃除した娘に「誰が頼んだ」と激怒

 実家の玄関を開けるたび、家の中のあちこちに感じる“老い”の気配。ここにカビが、こんなところにホコリが、と子世代が雑巾片手に「不用品」を処分すれば、親子断絶の危機が訪れる…。

 栃木県に住む48才のパート主婦N美さんも片付けを巡って、親子喧嘩を経験したひとり。彼女は15年前に父親を亡くして以来、車で45分かけて80才になる母親の様子を見に行っているという。

 * * *
 今思えば、昔から片付けが苦手だった母。きれい好きな父が生きていたころは、しょっちゅう「掃除しろ」って怒られていました。

 父が亡くなってから、家はあっという間に足の踏み場がなくなり、たまの帰宅時、その光景にギョッとすると、母は決まって「さっきまで親戚の○○さんが来てたのよ」などと、人のせいにします。でも、そんな短時間に散らかったようには、とても見えませんから。おまけに、ときには、「猫がいると、いくら片付けてもきれいにならない」などと、飼っている猫のせい。

 片付けが苦手だなんて自分からは絶対認めないし、ましてや、娘の私に「片付けて」なんて口が裂けたって言いませんよ。

 それでも気になるから、定期的に実家の水回りを中心に掃除と片付けをしているんだけど、いちばん勇気がいるのは冷蔵庫を開けるとき。家が汚れ出すと、必ず冷蔵庫も“生ゴミ箱化”しています。開けるとき、息を止めていても脳天を突き刺すような腐臭に襲われ、立っていられないほどなんです。

 覚悟を決めて、私がマスクをして冷蔵庫の中のものを全部出し始めると、母親は近所に行ったりして姿をくらまします。そして掃除が終わったころ戻ってくる。

 そのとき、「冷蔵庫、掃除しておいたよ」なんて言おうものなら、「誰が頼んだ!」と顔色を変えます。「腐ったものがいっぱい。食中毒になるわよ」なんて注意すると、「うるさい。とやかく言うならするな」とキレるんです。

「お母さんの体が心配なだけよ」と取り繕っても、一度曲がったおへそは戻らず、「心配なんてけっこう。なんだい、偉そうに。もう二度と敷居もまたぐな」と啖呵を切ります。

 先日のお盆に片付けをしたときも、ちょっとしたことで言い合いになり、その後は、電話をしても「ご用件は?」とけんもほろろ。あれからひと月経ったけど、何が気に障ったのか、電話するたび、叩き切られています。

※女性セブン2014年9月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン