ビジネス

日産ゴーン体制いつまで続く? 「2020年まで続投か」と識者

14年の長期政権で綻びも?(日産自動車カルロス・ゴーン社長)

 カルロス・ゴーン氏の後継者は誰か――。日産自動車のトップ人事に関しては、これまでも度々取りざたされてきた。

 なにしろ14年に及ぶゴーン氏の長期政権が続いていることに加え、業績は昨年まで2期連続で予想を下方修正するなど低迷中。「もはや日産をV字回復させたゴーン氏の神通力は失せている」(国内自動車メーカー幹部)との声がもっぱら。

 そして、ここにきて再びゴーン氏の去就が注目されている。というのも、腹心の外国人幹部たちが次々とライバルメーカーに引き抜かれ、ゴーン氏の求心力低下が社内外で懸念されているためだ。

 昨年、ナンバー2だったカルロス・タバレス氏がプジョーシトロエングループ(仏)のCEO(最高経営責任者)に転出したのを皮切りに、今年7月には高級車ブランド「インフィニティ」部門のトップだったヨハン・ダ・ネイシン氏がGM(米)へ、そして9月にはポスト・ゴーンの最右翼と見られていたアンディー・パーマー副社長がアストンマーチン(英)のCEOになることが突如発表された。

 立て続けに日産の人材が流出しているのはなぜか。業界関係者はこんな推察をする。

「ゴーン氏は昨年11月に業績低迷を受け、社内から信望も厚かった志賀俊之COO(最高執行責任者)を更迭。COO職を3人制にしたが、そのうちの一人だったパーマー氏が日産を去ったことで、社内のモチベーション低下が露呈した。

 グローバル企業で人材の入れ替わりは常とはいえ、どんなに日産で頑張っても副社長止まり。最後はゴーン氏に見限られるといった風潮が幹部に蔓延しているのではないか。さすがに異常事態といえる」

 ゴーン氏は資本提携先のルノー(仏)副社長で、かつて日産再建にも尽力したフィリップ・クラン氏を新たにCOOに据えたり、インフィニティのトップに元BMW(独)日本法人社長のローランド・クルーガー氏を招聘したりするなど、有能な人材固めに必死になっている。

 見方によっては“後継者探し”とも取れなくないが、「すぐにゴーン氏に代わって経営全般を統括できる人材は、外国人も日本人も含めていまの日産には一人もいない」(日産関係者)というのも実情だ。

 そもそも、ゴーン氏が近いうちに社長の座を禅譲するつもりがあるのかも謎だ。ここ数年、株主総会での常套句は「(進退を)決めるのは株主」。だが、日産に43.4%を出資する筆頭株主は、ゴーン氏自身がCEOを兼務するルノー。まったく説得力がない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン