日本もこうした例に倣い、中国に対してはボリュームではなくクオリティで勝負して市場や規模を使いまくるという方向に行かなければならない。それが“小国の知恵”であり、そろそろ日本もその方向に針路を取らないと将来を誤ると思う。
安倍晋三首相は強硬路線で中国に対峙しているが、むやみに挑発するのは得策ではない。中国はMIRV(1基に複数の核弾頭を搭載し、それぞれの弾頭が異なる目標を攻撃できる弾道ミサイル)を配備しているとされている。
もし、10発の核弾頭を持ったMIRVが日本の主要都市を狙って飛んできたら、日本は壊滅してしまう。そんな国を相手に余計な火遊びをしないほうがいい。
私は中国に迎合せよと言っているわけではない。日本はもっと賢く立ち回って、中国を活用するべきだと言っているのだ。
※SAPIO2014年10月号