ビジネス

繁盛する吉野家の「吉呑み」 牛丼店のマグロ刺身が旨い理由

全国18店舗に広がる吉野家の「吉呑み」

 これまで食事をする場所だった外食チェーンが「ちょい飲み」に続々と参戦している。牛丼チェーンの吉野家は居酒屋風に改装した「吉呑み」が快進撃を続けているが、人気の現場はどうなっているのか。

「まぐろ刺身 310円」──。吉野家・JR神田駅店のメニューには、牛丼チェーンとはおよそ縁のなさそうな料理が並ぶ。

 昨年7月から吉野家では、既存店舗の2階を居酒屋風に改装して「ちょい飲み」スペースとする「吉呑み」の展開を始めた。現在では全国18店舗に広がり、同社広報が「あまりに好調で店舗は取材対応不可」と語るほどの人気を博す。

 平日の開店2時間後の19時に店を訪れるとすでに満席で4~5人が列を作っており、入店までにかかった待ち時間は約40分だった(JR神田駅店の「吉呑み」の営業時間は17時~22時30分)。

 カウンター席とテーブル席と合わせて約20席の店内にいる客の9割はスーツ姿のサラリーマン。席に着くと壁に貼られたメニューが目に飛び込んでくる。

「牛皿(並、250円)」など吉野家でお馴染みメニューの他に「子持ちししゃも(310円)」「メンチカツ(310円)」「フライドポテト(160円)」など酒のつまみを豊富に取り揃える。

 そうしたラインアップを可能にするのがグループ企業の存在だ。

 JR神田駅店の男性店員が一番人気のメニューとして挙げた「牛すじ煮込み(350円)」は吉野家HDが展開する「ステーキのどん」から肉を仕入れて調理した一品。刺身も同様にグループ内の「京樽」から調達している。

「付け焼き刃でつまみメニューを開発するのではなく、吉野家グループの力を結集した結果、支持を得ている」(同社関係者)

※週刊ポスト2014年11月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
8月20日・神戸市のマンションで女性が刺殺される事件が発生した(右/時事通信フォト)
《神戸市・24歳女性刺殺》「エレベーターの前に血溜まり、女性の靴が片方だけ…」オートロックを突破し数分で逃走、片山恵さん(24)を襲った悲劇の“緊迫の一部始終”
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
決勝の相手は智弁和歌山。奇しくも当時のキャプテンは中谷仁で、現在、母校の監督をしている点でも両者は共通する
1997年夏の甲子園で820球を投げた平安・川口知哉 プロ入り後の不調について「あの夏の代償はまったくなかった。自分に実力がなかっただけ」
週刊ポスト
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン