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バター不足問題 酪農家の高齢化や減少など厳しい現状が影響

 現在、女性セブンで連載中の漫画『突撃ミッション』では、漫画家・高坂ゆう香さんが、毎回さまざまな場所に突撃取材を行っている。12月4日号では、千葉県富津市のマザー牧場でバター作りを体験。担当編集T坂が、その後日談とともに、ここ最近のバター不足問題に迫ります。

 * * *
 料理やお菓子に欠かすことのできないバター。実は数年前から少しずつ品薄状態が続いていましたが、ここにきて明らかに消費者に影響が出るようになってしまいました。

 大きな原因となっているのが、バターの原料となる生乳の生産量の減少です。酪農生産者団体や乳業メーカーで構成されているJミルクによると、2014年度の生産量は732万トン。これは前の年と比べ2%少なく、ピークの1990年代半ばと比べるとなんと15%も少ない状況です。

 理由は酪農家の高齢化と後継者不足による酪農家の減少と、昨年、一昨年の猛暑で乳牛が妊娠する確率が下がり、乳の出が悪くなってしまったこと。

 でも、それだけではないんです。漫画でも描かれていますが、乳牛は出産しなければ乳が出ません。そのため、多くの酪農家は人工授精や受精卵移植を活用し、乳牛たちを妊娠させます。でも、その際に乳牛ではなく肉用牛である黒毛和牛の精液を種付けさせたり、黒毛和牛の受精卵を移植して「代理出産」させるケースがあるのです。

 実は肉用牛の子牛は農家の減少や口蹄疫などの影響で5年前と比べ価格がおよそ6割も上昇。一方、乳牛は漫画にも描かれているように、餌代が上がるなど苦境に立たされています。そうした経済的な理由から、黒毛和牛の交配率が上昇する一方で、乳牛の数が減ってしまったというわけです。

 バター不足には酪農家が立たされている厳しい現状が色濃く影響しているのです。

※女性セブン2014年12月4日号

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