一方のローソンの企業理念は発信型だ。企業理念は「私たちは”みんなと暮らすマチ”を幸せにしたい」。ローソンを組み込んだ形で地域社会にコミュニティを再構築し、「環境」「社会」を軸に地域により強固な基盤をつくる。ホットのミネラルウォーターやブランパンに象徴されるような「健康」アイテムもそうだが、あるべき社会の形を提示しつつ、社会や顧客に対してアプローチしていく。その姿は”発信型”、”提案型”と言っていい。

 Webを含めたPR施策全般に先進的、意欲的な取り組みが目立ち、今年話題となっている、GPS連動の現実世界陣取りゲーム「Ingress(イングレス)」とコラボレーション(全国のローソン店舗がゲーム中の重要な拠点として登場)した国内最初の企業となった。

「理念」という言葉を大辞林で引くと「物事のあるべき状態についての基本的な考え」とある。乱暴に言ってしまえば両社の違いは、「あるべき状態」の中心を「顧客のニーズ」に置くのがセブン-イレブンで、「社会のなかで自らが果たすべき役割」に置くのがローソンとも言える。

「ドーナツと白湯」。11月中旬に行われた両社の新アイテム発表には、奇しくも両者のスタンスの違いがくっきりとあらわれている。

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