ライフ

元妻に毎月養育費振り込むも誠意なし 支払いは止められる?

 11月14日、香港の女優・エレイン・ンが、ジャッキー・チェンから娘の養育費を一切もらっていないことをテレビ番組で明かし、ゴシップニュースとして話題になった。ジャッキーの場合は、「払っていないこと」が話題になったわけだが、元妻に毎月お金を振り込んでいるものの相手に誠意がないような場合、支払いを止めることはできるのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が、こうした相談に対し回答する。

【相談】
 3年半前に事業に失敗、自己破産。妻は娘2人を連れて離婚。その際、慰謝料や養育費の金額を決めていませんでしたが、すぐに定職に就け毎月遅れず15万円を元妻の口座へ振り込んでいます。しかし、元妻から謝礼の連絡などは一切ありません。こうした不誠実を理由に支払いを止めても問題ありませんか。

【回答】
 支払いが1回も遅れなかったということから、何らかの約束があったのではないかと気になりますが、離婚に際して、慰謝料も養育費も取り決めがなかったという仮定で検討します。その場合、送金を止めても約束違反にはならず、その意味では問題はありません。その代わり、今後は元妻から正式に、離婚にともなう慰謝料や子供の養育料の請求を受けるかもしれません。

 離婚が自己破産と同じ3年半前と仮定すると、財産分与や慰謝料を請求する権利が時効で消滅する時効期間(財産分与は2年。慰謝料は3年)が経過しています。

 しかし、あなたは慰謝料と養育費のつもりで毎月15万円を支払い続けていたので、これらの支払い責任を認めていたことになり、時効期間は債務を承認すると中断しますので、まだ時効は完成していません。もっとも、明確に養育費の負担分として払っているのであれば、慰謝料などは時効になっている可能性があります。

 他方、養育費の支払いは子供が未成年の間は親としての義務です。支払い停止後も、請求があれば支払うしかありません。元妻が不誠実でも免れることはできません。

 将来、元妻から請求があったとき、話し合いや調停で決まらなければ、家庭裁判所の審判により決定されます。その場合、元妻とあなたの生活状況等を前提にして養育費が決まり、あなたが将来の養育費の支払い義務を命じられることは間違いないと思います。

 また、あなたが一方的に支払いを停止した場合に元妻が養育費を負担することになりますが、あなたは親として、子供の扶養について生活保持義務(自分と同程度の生活をさせる義務)を負っているので、元妻が将来、あなたの分も立て替えたとして求償すれば、負担分として相応額の支払いを家庭裁判所から命じられるでしょう。

※週刊ポスト2014年12月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン