国際情報

中国 不動産市況悪化のあおり受け鋼材価格が白菜並みに下落

 中国政府は今年の経済成長率の目標を「7.5%前後」と発表しているが、12月の中央経済工作会議で、「7%前後」と下方修正する可能性が高まっている。中国経済の伸び悩みの大きな原因は、これまで高値を付けていた不動産価格がここにきて全国的に軒並み急落しているからだ。

 その値下がりの物件を1年ほど前に購入した住民らが不動産会社に「その差額を弁償しろ」と迫り、大規模なデモを行なっている風景は、いまや全国的にどの都市でもみられるほどだ。

 広東省深セン市では新築マンション価格は1平方メートル当たり2、3か月で2000元(約3万8000円)から3000元(約5万7000円)も下がっており、高いときにマンションを購入した住民が補償を求めてデモをしているのだという。

 一方、一般市民は値下がりの底を待っており、新規購入数は激減し、不動産業者は商売あがったりで、夜逃げもあるという。

 中国では今年に入って不動産不況が深刻化している。今年1~10月の不動産価格は中国主要70都市のうち、前月度比で69都市までが下落した。10月の中国主要70都市の新築住宅価格は、前年比2.6%下落し、9月の1.3%下落に続き、2か月連続の下落という状況だ。

 このあおりを受けて、やはりこれまでの中国経済の牽引役だった鉄鋼業界が大不振に陥っている。マンション建設などに使う鉄筋の取引価格は1年間で15%下落し、1トン当たり3212元で、500グラム当たりではたったの1.6元(約30円)と、2003年6月以来、11年ぶりに最低価格を更新。党機関紙「人民日報」(電子版)は「白菜並みの低価格に達した」と伝えた。

 白菜は餃子の材料になるなど中国の家庭料理では欠かせないだけに、例年、年末年始にかけて値上がりしており、鋼材が白菜よりも安いという珍現象がみられるかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン