芸能

マッサンの遺言 「国際結婚だけはするな」の真意を孫が明かす

 ウイスキー造りに情熱を注ぐ国際結婚夫婦の物語が評判のNHK朝ドラ『マッサン』。モデルとなった竹鶴政孝・リタ夫妻を知る子孫・竹鶴孝太郎氏(61)が、祖父母との秘話を明かしてくれた。(文中一部敬称略)

 1920年にスコットランドで結婚し日本に帰国した夫妻だが、2人を待っていたのは苦難の連続だった。ドラマ同様、不景気でウイスキー造りができなくなり、政孝は酒造会社を退社。リタが英語教師の仕事を探して家計を支えた。1940年にようやく「ニッカウヰスキー」を発売した。しかし翌年、日本は太平洋戦争へと突入。日本にいる欧米人は「敵性外国人」と見なされ、結婚で帰化していたリタにも特高警察の尾行がついた。

 そうした幾度もの苦難を乗り越えてきた2人に離別の時が訪れる。1961年1月、リタは64歳で他界してしまう。スコットランドに残してきた母が亡くなった5年後のことだった。

「その朝、祖父は『おばあちゃんが死んじゃった、おばあちゃんが死んじゃった』と、あたりをはばからずに大きな声で泣きわめきました。葬儀は自宅で行ない、祖父は蒸留所を見下ろせる高台に、自分の名も刻んだ墓を建てました」(以下、カギ括弧内は孝太郎氏)

 そして1979年8月、孝太郎氏が26歳の時、政孝は85歳で世を去った。

「親族が故人の唇を湿らせるお別れの儀式が始まると、まず父の威がウイスキーを含ませた刷毛の先で、祖父の唇をやさしく撫でました。父らしい優しいやり方でした。でも、僕は祖父にはその程度の量では足りないと思い、ウイスキーを祖父の顔や体に振りかけました。あたりに芳醇な香りがたちこめ、祖父の顔はとても満足そうに見えました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相、16年前にフジテレビで披露したX JAPAN『Rusty Nail』の“完全になりきっていた”絶賛パフォーマンスの一方「後悔を感じている」か
女性セブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン