当然、専門家が運用するといっても、運用結果が、マイナスとなることもある。
ファンドラップ自体は目新しい商品ではない。それにもかかわらず、昨年あたりから残高を伸ばしている背景としては、NISA(少額投資非課税制度)の存在があるのではないかと考えている。
資産運用の必要性を理解はしているものの、なかなか実際の運用に踏み切れなかった層が、NISAのスタートによって運用をすることになった。しかし、きちんと運用をしようとすれば、投資についてある程度は勉強をしなければいけないことが分かった。
でも、仕事も忙しく、勉強まではできそうもない──そんな個人投資家が、専門家に運用を任せられるファンドラップの新たな買い手となっていると推測している。専門家が運用をするのだから、対価となる手数料を支払うのは当然、と納得できる層ともいえる。
ファンドラップを含めた、投資一任運用サービス用の「ラップ口座/SMA専用ファンド」の残高は、すでに2兆円程度に膨らんでいる。投資信託市場の3%強を占めていることになる。ファンドラップで資産運用をするうちに、自分で本格的な運用をするようになる人もいるはず。個人投資家のすそ野を広げてくれるサービスとして注目している。
※マネーポスト2015年新春号