12月5日の深夜0時、米ニューヨーク発、韓国仁川空港行きの大韓航空086便のファーストクラスに搭乗していた大韓航空前副社長のチョ・ヒョナ氏(40才)は、席に着くなりワイン2杯を飲み、ほろ酔い気分でくつろいでいた。
しかし離陸前、女性客室乗務員が機内サービスのマカダミアナッツを袋のまま出したことで顔色を変える。
「一体どういうサービスをしてるんだ! マニュアルでは、ナッツは皿に盛りつけて出すことになってるだろ!」
怒鳴り散らす彼女に、この客室乗務員はひざまずいて許しを請うが、ヒョナ氏の怒りは収まらなかった。責任者である事務長を呼びつけ、2人とも土下座させ、罵詈雑言を浴びせた。
「このバカ野郎! 飛行機を止めろ! 今すぐにおまえは降りろ!」
サービスマニュアルの角で事務長の手を打ちつけたあげく、すでに滑走路に入っていた同機を無理やり搭乗口に引き返させ、事務長を飛行機から降ろすという暴挙に出た。
乗客の告発で明るみになったこの“ナッツリターン”事件は、たちまち韓国国内のワイドショーを独占。その後、事務長に対し、「国交省の聞き取り調査には、飛行機を降りたのはあくまで自分の意志だと言え」と指示するなど、隠ぺい工作まで発覚し、国交省がヒョナ氏を検察に告発したため、すでに当局の捜査も始まった。彼女は12月17日にソウル西部地検に出頭し、12時間の取り調べを受けている。
「今では飛行機を操作して飛んでくるナッツ袋を避け、裸のナッツをゲットするというスマホ用ゲームアプリが登場して大人気になっています。ネット上では“ナッツ航空”なるパロディーCMが作られたりと、韓国国内ではもはや怒りを通りこして笑いのネタにしようとする向きもあります」(韓国の全国紙記者)
※女性セブン2015年1月8・15日号