ビジネス

早くて安い宅配便 荷物が届く仕組みをヤマト運輸を例に解説

 宅配便市場がいま、活況を呈している。業界全体では二〇〇九年度の三一億個から、二〇一三年度は三六億個に伸ばしている。このまま推移すれば、四〇億個突破はもう目の前である。取り扱い個数の多い順にヤマト運輸の一六億個と佐川急便一一億個、日本郵便四億個となり、上位三社で市場の九割以上を握りながらも、激しくしのぎを削っている。

 物流コンサルタントの刈屋大輔(四一)は、「ネット通販発の荷物が現在の宅配市場を牽引している。ネット通販が伸びているのは、すでに宅配便というインフラが整っていたからだ」と語る。

 取り扱い個数の増加もさることながら、ここ数年で家庭に届く通販貨物が増加したことで宅配便が消費者にとってこれまで以上に身近に感じられるようになった。宅配便の荷物量は増えたが、しかし単価が下がったため、宅配便業界の現状はしばしば「豊作貧乏」と揶揄される。

 ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便の上位三社による市場占有率の合計でみると、過去一〇年に八三%台から九二%台と一〇ポイント近く増えている。市場の寡占が進めば価格は上昇するはずだが、現実はその逆となっている。

 ヤマト運輸では、二〇〇〇年代初頭には、一個当たり七〇〇円以上あった運賃単価が、直近の本決算では五七四円にまで下がっている。佐川急便では、二〇〇〇年代初頭に一〇〇〇円台近くあったのが、直近では四八六円にまで落ちている。

 それに伴い持ち株会社のヤマトホールディングスとSGホールディングスの経常利益率は四%台と低迷している。ゆうパックを取り扱う日本郵便は、ゆうパックの単価を発表していないが、経常利益率は一%台となる。

“送料無料”を掲げることの多いネット通販の荷物の増加は、宅配便業者にとって両刃の剣ともなりかねない。特に荷物量が多い大手ネット通販は、送料無料の自社の負担を最小限にするため運賃において強気の価格交渉を仕掛けてくる傾向が強い。ヤマト運輸の常務の長尾裕はこう説明する。

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン