国際情報

「巨大なパンツ」等中国で奇妙な建築物増加 習近平氏も苦言

「巨大なパンツ」や「三国志」「タマゴ」に「銅銭」など、中国では奇抜な巨大建築物が増えており物議を醸している。習近平国家主席までがアート・シンポジウムで「奇抜なビルが増えており、そうしたビルの建築を止めるべきだ」と苦言を呈しているほどだ。米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた。

 同紙が挙げた奇抜で奇妙な形をした5件の建築物は以下の通り。

 1つ目は中国中央テレビ局(CCTV)本社ビルだ。オランダの著名建築家レム・コールハース氏が設計したもので、2棟の黒いビルが上層部でつながっており、それが人間の足を連想させることから、市民はビル全体を「巨大なパンツ」と揶揄している。

 2つ目はやはり北京市中心部のオフィス街にある「ギャラクシーSOHOビル」。2012年秋、北京市中心部に完成した商業施設とオフィスの複合ビルで、4つの半円形のタワーを地上部で4つのブリッジでつないでいる。その模様が4つのタマゴに見えることから、通称は「タマゴ」。延べ面積は33万平方メートル、地下3階・地上15階建て。

 3つ目が「広州圓大廈(ビル)」で、文字通り広東省の省都、広州市に建設されている。 イタリアの建築家、ジョセフ・パスクェール氏の手になるもので、中国の古銭をモチーフにイタリア風のデザインとしたという。直径47メートル、幅28.8メートル、建築総面積10万5000平方メートルと、その黄金に輝く巨大な銅銭が珠江の川面に映える効果を狙っているとされる。

 4つ目は北京の中国共産党機関紙「人民日報」本社ビルで、その形は植物のツクシのようで、本体は金色で、その上に黒い帽子をかぶせたように見える。その奇抜な形に、市民は陰で「男性のシンボルみたいだ」とうわさしているという。

 最後の5つ目は河北省廊坊市の「天滋飯店(ホテル)」。遠くから見ると、中国の昔の聖人らしき3人の人物の巨大な像かと思いきや、近くで見ると、巨大な像は3つのビルで、それぞれのビル全体に人物画が描かれているのが分かる。その3人は劉備玄徳、関羽、張飛に似てなくもないことから、地元では「三国志」と呼ぶ人もいるという。

 これらは中国の奇抜な建築物のなかでも、ほんの一部で、なぜ中国にこのような建築物が多いのかと言えば、中国の人々は「風水」を信じているからだとみられる。風水は古代中国の思想で、都市、住居、建物、墓などの位置の吉凶禍福を決定するために用いられている。気の流れを物の位置で制御する思想であり、悪い気を近づけない、あるいは流してしまうために、ときには奇抜な形になることもある。

 例えば、3つ目の広州圓大廈は珠江の水面に映ると円が二つ並び「8」の字の形になり、風水では縁起の良い「八」を表すことから、この円形の建物になったという。

 他の建築物も邪気を払うなど外国人では理解しがたい風水理論が働いているようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン