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「中段」「二十八宿」など 暦の吉凶日の意味を専門家が解説

「平成26年神宮館高島暦」9月の行事欄より

 暦を見ると、日ごとにさまざまな種類の占いによって出された吉凶日が記されている。「先勝」「仏滅」「大安」などの六輝はカレンダーでもおなじみでわりとよく知られているが、「中段」の欄の「たいら」「さだん」といったひらがな表記や、「二十八宿」欄の「房」「心」「尾」といった漢字一文字表記はどう見るのだろうか? 高島暦などで知られる「神宮館」製作部の木村仁美さんに解説してもらった。

 まずは、「中段(ちゅうだん)」と記されている、中段十二直という吉凶占いから。

「江戸時代にあった『かな暦』の中段に記され、日々の吉凶を占ったことから『中段』と呼ばれています」(木村さん)

 単純に言うと、たつ・みつ・たいらは吉日、のぞく・さだん・とる・なる・おさん・ひらくは小吉、やぶる・あやぶ・とづは凶日とみるという。それぞれの意味は、以下のとおり。

たつ(建):最吉日にあたる。神仏の祭祀、婚礼、開店、新規事業の開始、移転、柱立て、棟上げ、旅行などに大吉。ただし、屋敷内の動土(土を動かす)、蔵開きには凶。

のぞく(除):百凶を除く吉日。医師にかかり始め、薬の飲み始め、種まき、井戸掘りなどには吉。ただし、婚礼、屋敷内の動土には凶の日。

みつ(満):万象万物ことごとく満溢される吉日とされ、建築、移転、新規事の開始をはじめ、婚礼その他の祝い事、種まき、動土などすべて吉の日。

たいら(平):物事の平等円満をもたらす吉日。地固め、柱立て、旅行、婚礼、その他の祝い事には吉。ただし、池、溝、穴などを掘るのは凶。

さだん(定):善悪定まってとどまる日。建築、柱立て、棟上げ、移転、婚礼、開店、開業、種まきなどに用いると吉だが、訴訟、旅行、樹木の植え替えなどには凶。

とる(執):万物の活動育成を促す日。神仏の祭祀、婚礼その他の祝い事、造作、種まきなどには吉の日。ただし金銭の出し入れ、財産整理には凶。

やぶる(破):物事を衝破する日で、訴訟、談判事などにこの日を用いると好結果を生む。ただし、婚礼、神仏の祭祀、その他祝い事には忌むべき凶の日。

あやぶ(危):万事に危惧を含む日。諸事控えめに慎むべきで、旅行、登山は特に大凶。

なる(成):万物が成就する日。建築、開店、種まきなど、新規に事をはじめるのに用いると吉。ただし訴訟、談判事などには凶となる。

おさん(納):万物を納め入れるのに良い日。五穀の収納、商品購入などには吉。ただし、見合い、婚礼などには凶の日。

ひらく(開):険を開き通じる意から、建築、移転、婚礼、開店などすべて吉の日。ただし、葬送の儀などの不浄事は凶。

とづ(閉):動きが止まる意を含む。金銭の収納、建墓、トイレ造りなどには吉だが、柱立て、棟上げ、開店、婚礼などには凶となる。

 続いて、「二十八宿(にじゅうはっしゅく)」の解説は以下のとおり。

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