芸能

肝内胆管がん告知の大谷昭宏氏「密葬でいく。偲ぶ会するな」

『ひるおび!』(TBS系)や『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)などでコメンテーターとしても活躍する、ジャーナリストの大谷昭宏さん(69才)が、母の葬儀、そして自らの病について語る。その話は、自身の葬式にも及んだ。

 * * *
 おふくろが逝ったのは、2009年10月だった。女性として妻として、そして母親として、すべてやり遂げた。死に顔は実に堂々としたものだった。

『まさに大往生でした』

 年賀の欠礼の挨拶状にそう認めた。

 墓のある世田谷区内の寺で執り行われた密葬の参列者は、20人ほどだった。訃報を親族以外に伝えていなかったので、供花もぼくたち兄弟のものだけ。父の葬儀も含め、これまでの経験から葬式が大きくなり、弔問客がたくさん来れば来るほど、お客さんに対していき届かなかったのではと後悔が残るものだ。

 結婚式は「今度上手くやるから」とでもいえば、笑ってすまされるが、葬式の場合、「次は上手くやる」などという冗談は通用しない。ごく内輪で執り行ったおふくろの葬式は、一切後悔が残らない清々しいものであった。

 ぼくが肝内胆管がんと宣告されたのは、昨年の夏である。幸い早期のがんだった。死が身近に迫った体験ではあったが、ぼくの葬式への思いは以前と変わらない。

 ぼくもおふくろの時のように密葬でいく。間違っても偲ぶ会とかはやってくれるな。会に参列する人間を選ぶだけで、必ずややっこしいことになるし、カネもかかる。

 ぼくの願いは些細なことだ。これまで3代の歴代の犬のお骨は残してあるので、犬と一緒の墓に入りたい。

「とんでもない、犬といえば悪業の報いとして、その姿を変える畜生道の象徴のようなもので、人間と犬を一緒にお参りするなんてできません」

 相談したお坊さんにはけんもほろろに断られた。それなら自分で探そうと今、ペットと入れる墓を探している。

 ぼくには子供がいないので、後は妻にすべて委ねることになる。ぼくは向こうの世界で先に逝ったワンちゃんたちと、楽しくのんびりとやるつもりだ。いずれ妻もその中に加わるだろう。

 ぼくが逝ったら後日、挨拶状に墓の場所を記しておく。墓にはウイスキーを置いておくから後は勝手にやってくれ。ウイスキーグラスを片手にたばこをくゆらせ、語り明かしてくれればそれでいい。それがぼくにとっては最高の供養である。

 聞き手・文/根岸康雄

※女性セブン2015年2月19日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン