パリで生まれた世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」。日本でも開催されており、今年ですでに13回目となる。1月末では東京で開催され、大盛況となった。
そこで、累計270万部のヒット漫画でドラマ化もされた『失恋ショコラティエ』の作者である水城せとなさんに、サロン・デュ・ショコラについて、そしてチョコレートについて、お話をうかがった。
――日本の「サロン・デュ・ショコラ」は今年、ますますの盛り上がりを見せました。本場パリの「サロン・デュ・ショコラ」に何度も足を運ぶ水城さんから、日本の「ショコラ文化」はどんなふうに映りますか?
水城:日本のサロン・デュ・ショコラでは、ショコラティエさんにサインをもらったり写真を撮ったりしてるお客さんがたくさんいて、独特のノリですよね。アイドル文化が定着している日本人らしさというか、『人』がアイコンになってファンサービス的要素が加わることで、その商品への愛着や購買意欲も盛り上がって、熱狂的なお祭りムードに繋がっているのかな?と思います。ただ、催事で大人気だったお店がいざ日本に出店してみたら、バレンタイン以外の時期はお店が閑散…ということも多いので、本当に“チョコレートそのもの”を好きな人が増えて定着するにはまだ時間がかかるのかなという印象です。
一方で、もともと日本のお菓子はおいしいので舌の肥えてる人も多く、味にこだわるグルメ層はフレコミが派手だったり見た目がかわいくて目を引いたりしても味が大したことなければすぐに興味を失うし、気に入ったお店は必ずリピートし続けるので、毎年海外からいらっしゃるショコラティエさんたちもやり甲斐があるかもしれませんね。
──サロン・デュ・ショコラに行くと、味も形状も本当にさまざまなバリエーションのチョコレートがあって戸惑います。自分の好きなチョコレートと出会うコツはありますか?
水城:私としては、せっかくこれだけのショコラティエさんが日本というマーケットに力を入れて販売を行ってくれているのだから、バレンタイン時期だけではなくぜひ普段からいろんなチョコレートを日常的に召し上がっていただきたいなと思います。
例えば、『どんなラーメンが好き?』と聞かれたら、『塩ラーメン』とか『醤油とんこつ!』とか、みんなすぐ答えられるでしょう。自分の好みがわかっているから、たまたま見かけたラーメン屋さんでも『おいしそう!』と思って入ることができますよね。
それと一緒で、ぜひ普段からいろんなお店のチョコレートを召し上がって、『自分はこういうタイプのチョコが好き』と把握した上でイベントに行ってみることをオススメします。自分の好みを把握できていれば、どこが有名だとか、高級だとか、どこの行列が長いとか関係なく、自分の好みに合うチョコレートが自然とパッと目について、自分にピッタリのチョコとの出会いが叶うと思いますよ
※女性セブン2015年2月26日号