ヒール(悪役)としてリングで戦う安川惡斗
健気に頑張るその姿は、見ているものを応援し続けたい気持ちにさせる。そこに感情豊かな表現が加われば、観客は彼女たちのつくりだす世界のとりこになる。これは、どこかで見聞きした光景ではないか?
総選挙のときに過呼吸を起こすほどのめり込むAKBのメンバーや、スタッフが繰り出す無茶ぶりに振り回されつつ課題を成し遂げる、ももいろクローバーZの様子だ。
「秋元康さんは1980年代にジャパン女子プロレスという団体の立ち上げに関わり、アイドルレスラーとして大人気となったキューティー鈴木のデビューに関わっています。そのとき女子プロレスから学んだことを、現在のAKB関連の仕掛けにも生かしていると言われています」(前出・柳澤さん)
現実と虚構があいまいな空間で繰り広げられる女子プロレスの世界は、アイドルを見慣れた私たちにとって意外に親しみある存在なのかもしれない。