高校野球には様々なドラマがある。週刊ポスト増刊『プロ野球&甲子園 甦る伝説』では、地方予選でこれまで起こった「大番狂わせ」を47都道府県で徹底網羅、特集した。高校野球史に詳しい森岡浩氏が、神奈川、静岡、徳島のマル秘情報を解説する。
●「初出場」が少ない神奈川
一時200を超える学校が予選に参加していた神奈川県は、横浜、東海大相模、桐蔭学園など強豪校が揃っていることもあり、参加校数の割に初出場校がなかなか登場しない。2009年に初出場した横浜隼人は、2001年春の桐光学園以来8年ぶりの初出場。
夏に限れば、1998年の平塚学園以来11年ぶりだった。平成以降は春夏通じて横浜商大、日大藤沢を加えた5校しか初出場していない。
●連続出場の少ない激戦区・静岡
静岡県は飛び抜けた強豪校がなく、毎年色々な学校が甲子園に出場してくる。1968年、1969年に静岡商が出場して以降、2007年、2008年の常葉菊川まで夏の大会に連続出場した学校はなかった。3年連続は戦後1校もない。
●「私立の代表」が一度もない徳島
徳島県では、春夏通じてまだ一度も私立高校が甲子園に出場したことがない。そもそも徳島県では野球部のある私立高校が生光学園1校しかない。県内では強豪として知られ、夏の県大会決勝にも2回進んでいるが、あと一歩の壁が破れない。
※週刊ポスト2015年3月6日号