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2015.03.06 07:00  SAPIO

小林よりのり氏 『戦争論』はある意味誤読されたと語る真意

 わしは、むかしの日本人は凄いと言ったが、いまの日本人が凄いなどとは一言も言っていない。むしろ祖父たちはあんなに立派だったのに、いまの日本人は何の主体性もなく、堕落したと当時から嘆いていた。アメリカと戦ったはずの日本人が、いまはただアメリカの戦争に後ろからついていくだけ。その傾向はさらに悪化している。

 それにわしは、日本が戦った戦争は肯定するが、いまアメリカがやっている戦争には正当性がない、と当時から主張してきた。ところがいまの日本人はどうだ。「アメリカの戦争は常に正しいのだから、それに従えば良い」と、みんなこう思っているではないか。

 事実として、アメリカが突入したイラク戦争において、開戦の根拠となるはずの大量破壊兵器などどこにもなく、中東を泥沼に導いたのは明白だ。それが現在のイスラム国につながっている。

 そもそも、大東亜戦争はアメリカの理不尽な要求に対して日本がやむにやまれず始めた戦争ではないか。わしには、イラク戦争でフセインが処刑される姿が、東京裁判で東条英機が処刑される姿に重なってしまう。アメリカの戦争を肯定すれば、大東亜戦争を正しいと言うことと整合性がとれなくなる。

 いまアメリカがやっている戦争を認める日本人は、戦争できるならなんでもいいという、ただの「好戦主義者」でしかない。

※SAPIO2015年4月号

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