金田:これはバッティングでできたタコだろう。

大谷:そうです。

金田:(眉をひそめて)投手をするにはこういったタコはピッチングの邪魔になる。気をつけないといかんぞ。これは右投げ左打ちの弊害でもあるんだ。左打ちだと利き腕で引っ張ろうとするから、どうしても右手にタコやマメができやすくなる。それが繊細なピッチングに悪影響を及ぼしかねん。ワシはタコやマメなんかできたことはないぞ。

大谷:(身を乗り出して)金田さんは左打ちですか?

金田:そうだ。ワシは左投げ右打ちだったが、高校の監督に左打ちに変えさせられた。これにはタコ以外にもう1つ理由がある。右打席だと利き腕(左腕)が投手に向き、死球で利き腕を故障する危険があるからだ。

大谷:僕は初めから右投げ左打ちだったんです。

金田:死球に対して、何か対応策は講じているか?

大谷:捻ったり、打ちにいくと手首のあたりが危ないので、メーカーの方にお願いして専用のガードを作ったりしています。

金田:それでも打者もやりたいのか。

大谷:ハイ、やりたいと思ってプロに入ってきたわけですから(とキッパリ)。昨年は初めて2桁のホームラン(10本)を打ったので、今年は20本を目標にしようと思います。打席数も昨年(234打席)より底上げしたいですね。

※週刊ポスト2015年3月13日号

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