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立ち食いそばブーム 週6で食すコラムニストがその魅力考察

カレーそばの納豆天&セリ天のせ、計490円也


 すごく客の回転率がいい店なのでくつろげるわけではないのだけれど、私はあの店に行くと肩や首のコリがほぐれるような「自由」を味わえるのだ。大げさかもしれないが、それは『孤独のグルメ』の井之頭五郎がよくセリフで使う「うん!これこれ!」といった生の賛歌に近い。何か気の重いことがあっても、「全力そば」ではふはふやれば、細かいことを気にするな、それより今は全力でこのそばを食い尽くせ、という心構えになる。

 そんなこんなで、最近の私は、週に5~6回は「全力そば」で食事をとっている。いつぞやは気分転換のため、1日に3回も出かけてしまった。なんだこのマイブームは、と自分でも不思議だ。

 けれども、先日、この「全力そば」の店主がツイッターをやっていると知った。オヤジさんは、ほぼ1日に1回ペースでなんらかをつぶやくようにしているそうだ。その日本語は少々ぎこちなく、内容が生真面目でどこかお茶目でもある。実に「全力そば」らしいアカウントなのだが、そのツイート群の中にこんなつぶやきを見つけた。

〈今度は「蕎麦春秋」さんから取材の申し込みありました。何回か本やさんで手には取りましたが、当店の様な駄そば屋には縁がないと思っていましたが、これも立ちそばブームのおかげでしょうか〉

 文中の『蕎麦春秋』は2007年に創刊した日本で唯一の蕎麦季刊誌だ。そば好きの間では知られた硬派なつくりの専門誌なのだが、そこでついに「全力そば」が紹介されるという。でもって、オヤジさんはそのことを〈これも立ちそばブームのおかげでしょうか〉と書き表している。

 いつの間に、立ち食いそばブームが来ていたのか。ツイートを全部見ていくと、たしかに「全力そば」店は、他の出版、ウェブ、放送の各メディアでもたびたび紹介されている。だがそれは、「全力そば」がネタとして面白いから注目され始めたということであり、立ち食いそばブームなる大きな流れとは関係ないのではないか。

 と思い、あれこれ検索をかけてみた。すると、去年から今年にかけて「立ち食いそば」を題材にしたサイトや記事が続々と作られていることがわかった。かなりのPVを稼いだと思われるものも少なくない。

 例えば、去年の9月に作られたまとめサイト「本当においしい立ち食いそば・路麺のお店」は、首都圏で制作者がお薦めの立ち食いそば店の外観とお薦めの逸品ならびにマップを、9ページに渡って紹介。説明ゼロなのに、見ているだけで腹が減る。

 年末にアップされた「あのタモさんも絶賛する最高の立ち食い蕎麦屋が日本橋にはあった。ウマすぎて日本橋に通勤したいレベル!」という取材記事もよく読まれているようだ。フェイスブックのいいね!のカウンターが「13K」と表示されている。

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