ビジネス

企業から見て株価上昇が嬉しくない理由を大前研一氏が解説

 東京株式市場で株価の上昇が続いている。だが、浮かれている場合ではない。企業から見ると、株価が上がるのはどう見えているのか。実は嬉しくない、という実情を大前研一氏が解説する。

 * * *
 今、多くの日本企業を悩ませているのが、株の配当金の問題だ。かつて配当金は額面50円の1株あたり2円とか5円というように、額面に対して配当していた。機関投資家の影響力が弱かったからである。

 また、昔は「配当性向」という言葉があった。利益の3分の1を配当に回すと、配当性向33%ということになる。これらはいずれも企業側の論理だとみなされるようになった。

 今は配当性向という言葉を使ったら、株価が下がってしまう。機関投資家が額面や利益ではなく、「時価」に対して配当することを要求するからだ。つまり、投資家側の論理に沿って配当することが求められるようになったわけで、よほどの成長企業でない限りは「時価の3%」がグローバル・スタンダードになってきている。これは企業からすると、非常にしんどいことである。

 にもかかわらず、現在、多くの企業は多大な犠牲を払って3%以上を維持している。なぜなら、機関投資家は3%程度の配当があれば、業績の見通しがあまり芳しくなくても「売り逃げない」からだ。

 言い換えれば、今や企業から見ると、株価が上がるのは嬉しくないことなのだ。なぜなら、株価が上がれば上がるほど、配当を増やさねばならないからである。企業にとって時価の3%以上の配当を出し続けるというのは大変な重圧であり、恐怖の物語でしかないのだ。

 しかも、株価が「企業が未来永劫永続した時に将来生み出すであろう富の現在価値」である以上、これから日経平均株価が2万円を突破したとしても、それは日本企業の身の丈に合っていない“偽りの相場”にほかならない。

※週刊ポスト2015年4月10日号

関連記事

トピックス

再選を確実とし、あいさつする小川晶氏(時事通信フォト)
《ラブホ通い詰め問題》「1日100人に謝罪&挨拶」「ポエティックなインスタ投稿」で小川晶氏が前橋市長に返り咲き、支援者は「皮肉だけど、山本一太さんに感謝状を渡したい(笑)」
NEWSポストセブン
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
《クスリ漬けか…との声も》ギャル系美女が映っていた“異様な監視カメラ映像”とは》「薬物を過剰摂取し、足も不自由で、死んでしまう…」中国インフルエンサー(20)の住居の管理人が証言
NEWSポストセブン
100円ショップ(写真提供/イメージマート)
《100円という呪縛》物価上昇と円安に苦しむ100円ショップ 「一度100円と思い込まれたものを値上げするのは難しい」と店主が嘆く
NEWSポストセブン
木原龍一、三浦璃来(写真/AFLO)
【ミラノ・コルティナ冬季五輪】小塚崇彦さんが解説するフィギュアスケート日本代表の強さ 世界王者「りくりゅう」だけじゃない「史上最強の代表陣」
中国人インフルエンサーがカンボジアの路上で変わり果てた姿で発見された(TikTokより)
「クスリを支配の道具に」「行為中に使う客層も…」変わり果てた中国人美女インフルエンサーが保護されたシアヌークビル、専門家が語る現地アングラ界隈のリアル
NEWSポストセブン
沖縄県警の警察官が、「ガサ(家宅捜索)」に入った女性の勤務先に押しかけるという事案が発生(左/共同通信社)
《「恋した」「すっぴんがかわいい」と…》沖縄県警捜査員が“ヤミ金事件”捜査女性の勤務先に押しかけ、迫って、批判殺到 “パスポートを押収し、逆らえない状況でエイサーに誘った”
NEWSポストセブン
中国出身の女性インフルエンサー・Umiさん(TikTokより)
〈自慢のロングヘアがボサボサに…〉中国美女インフルエンサー(20)、精神に異常をきたして路上生活…母親が電話で抱いた疑念「話し方を指示されているのでは」【高給求めてカンボジアに渡航も】
NEWSポストセブン
月9ドラマ『絶対零度』で主演を務めた沢口靖子
《60歳とは信じられない美姿勢》沢口靖子、“本人も継続を断念”した『科捜研の女』完結後は…各局が熱視線を送る理由
NEWSポストセブン
秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《不敬どころの騒ぎじゃない》秋篠宮家・佳子さまも被害に…AIを用いた性的画像の被害が世界的問題に 専門家が指摘「男女問わず人権侵害」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《もう家族でハワイに行けない…》“1.5億円の脱税疑惑”の宮崎麗果、“ESTA取得困難”で恒例の「セレブ旅行」は断念か SNSで「深い反省」示す
NEWSポストセブン
元旦に離婚を発表した吉岡美穂とIZAM(左・時事通信フォト)
《3児の母・吉岡美穂がIZAMと離婚》夫のために「“鬼嫁キャラ”を受け入れた妻の想い」離縁後の元夫婦の現在
NEWSポストセブン
2026年1月2日、皇居で行われた「新年一般参賀」での佳子さま(時事通信フォト)
《礼装では珍しい》佳子さまが新年一般参賀で着用、ウエストまわりに“ガーリー”なワンポイント 愛子さまは「正統的なリンクコーデ」を披露
NEWSポストセブン