国内

辺野古 小型船に海上保安官乗り込み怪我する反対派後を絶たず

 普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民や活動家と、移設工事や調査を警備する海上保安庁や沖縄県警の間での実力闘争が激しさを増している。

 2月下旬、辺野古の海底ボーリング調査のための資材搬入ルートである米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、反対派の中心メンバーが米軍に拘束される事件が起きた。反対派が集会を開き、県警や米軍基地の日本人警備員らと向かい合っていると、突然、警備員が「沖縄平和運動センター」の山城博治議長を羽交い締めにし、反対派と警備側が入り乱れた。

 山城氏は3人の警備員に引き倒されたまま基地の敷地内に引きずり込まれて手錠をかけられ、日米地位協定の刑事特別法違反容疑(米軍基地への侵入)で逮捕。その後、県警に身柄が引き渡された。

 事件直後、一部始終が記録された基地の監視カメラらしき映像がネット上に流出。壮絶な暴力現場が全国に知られることになった。県警関係者がいう。

「今後、大きな衝突が予想されるのはキャンプ・シュワブのゲート前に張られた反対派のテントの強制撤去。2月末には撤去の注意書、この3月には警告書を出した。強制執行は間もなくで、5月の連休前後だろう」

 昨年8月にボーリング調査が始まると、洋上でも反対派がカヌーや小型船での抗議活動を活発化させた。

 国が調査や工事のために設定した制限海域に反対派はカヌーや小型船で接近。海保は阻止するため、小型船に乗り込んで船頭を奪って進路を転換させたり、カヌーを転覆させて人を放り出させ警備艇に引き上げたり、カヌーを離れた海域まで曳航したりするという。

 危険なのでカヌーを外洋まで出すことはないが、海保に海岸から数キロの距離まで曳航され、放置されることもある。命の危険もありえる状況だ。揺れる小型船に海上保安官が乗り込み、揉み合いの中で怪我をする反対派も後を絶たない。

※週刊ポスト2015年4月17日号

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