ビジネス

ローソン×佐川急便の新型宅配 配達現場の人材確保できるか

ローソン×佐川のタッグで宅配市場どうなる?

「今までは300メートルから500メートル圏内に店を構えて、『いらっしゃいませ』とお客様を待っていたものを、もっと積極的に我々のほうから近隣のお客様に近づいていこうというサービスです」

 4月7日、コンビニ大手のローソンが佐川急便を展開するSGホールディングス(以下、SGH)と業務提携して大々的にぶち上げた「宅配サービス事業」。会見の席上でローソンの玉塚元一社長(写真左から2人目)はこう意気込んだ。

 進みゆく高齢化社会や単身・共働き世帯の増加、ネットショッピングの普及などにより、宅配のニーズは徐々に高まっている。

「ラストワンマイル(幹線道路から家庭まで伸びる最後の1マイル)」の物流網をどこが制するか――。これまでも全国に5万1000店舗を構えるコンビニがその重要な拠点になると見られていただけに、業界2位同士の〈ローソン・佐川連合〉がガッチリ手を組んだことで、他の小売業やEC事業者の囲い込み、宅配市場の覇権争いは一層激しくなるだろう。

 両社のサービス概要はこうだ。6月に共同事業会社の「SGローソン」を設立し、ローソン店舗を配送拠点として、佐川急便の荷物やローソンの商品を台車を使って人力で自宅まで届けるというもの。半径500メートル以内の小商圏を配送区域にして、不在時の荷物店頭預かりも可能。今後は自宅配送時の“御用聞きサービス”も充実させる予定だ。

 だが、隈なく宅配インフラを整えても、肝心の人力が足りなければ事業の拡大は見込めない。特に、近年はネット通販の「1個口」からの注文が増えすぎ、配達現場はパンク寸前。深刻な人手不足も指摘されている。

 SGローソンの新社長になる野辺一也氏(ローソン執行役員/写真右から2人目)は、人材募集に配送スタッフの採用に関し、

「シニアのセカンドキャリアを含めて1日3~4時間働けるパートタイマーなど、さまざまな働き方を提案することで街に必要なサービスを街の皆さんと一緒に築いていきたい」

 と話した。また、SGHの町田公志社長(写真左から3人目)は、主婦をはじめとした女性活用の重要性を説く。

「われわれの宅配業務においては、地域在住のおもに主婦の方々に『宅配メイト』になっていただき、配送を委託するシステムを整えています。幅広い年齢層が応募してくださり、将来的には1万人の宅配メイトが小さな配送エリアの戦力となることを目標にしています」

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン