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2015.04.13 07:00  週刊ポスト

患者に2.5倍の薬代払わせる「医薬分業」のトンチンカン規制

 薬剤師業界は院外の薬代が高くなる理由について「薬局は複数の医師が処方する薬の飲み合わせや副作用を専門家の立場で独自に考えるから」などと説明してきた。こういう事件を目の当たりにすると、そんな説明はまったく信用できなくなる。

 患者にしてみれば薬漬けも困るが、だからといって院内と院外で2.5倍も薬代が違うのは納得できるか。私は納得できない。医者と薬局の都合で患者に不当な負担が押し付けられていると思う。

 おかしな話はもう1つある。「薬局は病院と〈構造的に〉切り離されていなければならない」という政府の規制だ。同じ建物、敷地内にあってはいけないが、公道を1本はさんでいればOKという。

 もとはといえば、病院と薬局の経営分離が狙いだったのに、いつの間にか構造分離になってしまった。おかげで患者は病院と薬局に行く二度手間を強いられている。熱を出していたり車椅子状態だったら公道を横断するのは不便どころか、危険ではないか。雨だったら大変だ。

 たとえば、院内にコンビニエンスストアや花屋がある病院はいくらでもある。だからといって、コンビニや花屋を経営している病院は聞いたことがない。患者に負担をしわ寄せするトンチンカンな規制はさっさと見直すべきだ。

■文・長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ):東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)

※週刊ポスト2015年4月24日号

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