ビジネス

日経「私の履歴書」で話題 面白すぎと話題のニトリ社長物語

 日経新聞の人気コーナー「私の履歴書」での話が「面白すぎる」と話題の『ニトリホールディングス』創業者で社長の似鳥昭雄さん。似鳥さんは「人の3倍努力するか、人と違うことをやれ」という父の言葉を胸に、北海道の小さな家具店を年間売上4000億円超の企業へ成長させた。その半生は、壮絶エピソード満載。

 殴るのは当然という厳しい両親の下、小学4年生から大人用自転車で4斗分の米を運ぶ。冬の寒さは厳しく、何度も死にかけた。勉強は苦手で気も弱く、同級生からは「ヤミ屋!」といじめられていた。

 中学時代はいじめもエスカレート。米の配達中、同級生に自転車ごと川へ突き落とされる。ドロドロで帰り、母に事情を説明すると「落ちた米を拾ってこい」と言われ、汚れた米を拾って食べた。

 地元の短大から北海学園大学に編入するため、友人とカンニング。単位をもらうため、スナックのママを気に入っている教授の妻に電話をかけ、「先生と久々に会って飲んでいます」とアリバイ工作に協力した。任侠映画に憧れ、高倉健を真似てスナックの未払金取り立てのアルバイトも。

 大学卒業後、父の経営するコンクリート会社に入社。盲腸を患ったが「働け」と言われ、「自分の身は自分で守らなくては」と家出をする。いくつかの職につくが、ノルマを達成できずクビに。しかたなく家に戻ると、「何しに帰ってきたんだ」と父に一升瓶を投げつけられる。

 周りに同業がないという理由で『似鳥家具卸センター』を開店するが、赤字続きに。しかし、1968年に見合い結婚した百百代さんの活躍で売り上げがアップ。極度のあがり症だった昭雄さんに対し、高校時代“女番長”だった百百代さんは度胸満点で商売上手だった。

 経営が苦しい中、米国の家具店を視察するセミナーに参加。タンス中心の日本と異なり、部屋全体の美しいコーディネートが日本の1/3の価格で販売されていることに驚く。「生活の豊かさを日本にも!」と方向転換を決意。

 倒産品から手を引き、問屋を通さずメーカーから直接買う方法にシフト。直接購入は当時、業界のタブーだったため、現金片手にメーカーと交渉。商品を深夜に運搬するも、ばれて各地で出禁に。道内から徐々に南下し、最後は九州まで買いつけに行った。

 3~5割安い倒産品を仕入れ「安売りのニトリ」と名をあげるが、商品をだまし取られるなどトラブルも増加。また、米国の“ホームファッション”の考えを取り入れ、日本で初めて家具店でカーテンを販売し、人気に。

 海外工場で企画した商品の製造、輸入を始める。商品を作る際は、パート従業員の声も参考にし、「○○社の布団を買った」と聞けば、なぜニトリでないかを調査。昭雄さん自らが開発に携わるものもある。

 雑貨のみを扱う『デコホーム』を立ち上げ、都市部にも進出。おしゃれ感が若い女性にも人気に。単に安いだけでなく、“国民の8割が年360日使うものを揃える”を目標に、新たな客層を広げている。

 4月24日、『プランタン銀座』(東京都)の6階に新店舗がオープン。天然木のテーブルや本革のソファなど、ニトリ商品の中からこだわりのアイテムを厳選。「ダサくない、おしゃれなものを出していきたい」と似鳥さんは語っていた。

※女性セブン2015年5月28日

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
「2024年に最もドッキリにかけられたダマされ王」ランキングの王者となったお笑いコンビ「きしたかの」の高野正成さん
《『水ダウ』よりエグい》きしたかの・高野正成が明かす「本当にキレそうだったドッキリ」3000人視聴YouTube生配信で「携帯番号・自宅住所」がガチ流出、電話鳴り止まず
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
(左から)「ガクヅケ」木田さんと「きしたかの」の高野正成さん
《後輩が楽屋泥棒の反響》『水ダウ』“2024年ダマされ王”に輝いたお笑いコンビきしたかの・高野正成が初めて明かした「好感度爆上げドッキリで涙」の意外な真相と代償
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
フィリピン人女性監督が描いた「日本人の孤独死」、主演はリリー・フランキー(©︎「Diamonds in the Sand」Film Partners)
なぜ「孤独死」は日本で起こるのか? フィリピン人女性監督が問いかける日本人的な「仕事中心の価値観」
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン