夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、食品メーカー勤務のご主人(54歳)。奥様(53歳)に「ジェンダー・ハラスメント」を受けています。
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これは「男(女)のくせに」と相手を性で蔑視することで、女房は僕に対し、ことあるごとに「男のくせに」発言をするんです。
たとえば外で買い物をした時、その大量の買い物を持つのは僕。「ちょっとくらい持ってくれよ」というと「男のくせにだらしないわね!」。電車でも席が空くと当然のように自分が座ります。「オレ、仕事で睡眠不足なんだけど」といっても「日本男児でしょ! それくらい我慢しなさいよ」。
そのくせ、お店に入る時や車に乗る時は「欧米じゃ、レディ・ファーストが常識よ」と僕にドアを開けさせます。お前が好きなのは日本男児なのか、西洋の男性なのか、どっちなんだよ!
そういえば、僕の学生時代の恩師がいっていました。「“お客様は神様です”というのは店側であって、客がいうものではない。“レディ・ファースト”も、男性がいうものであって、女性がいうものではない」。その通りだと思い、女房にいうと、「何いってんの? 男がちゃんとしないから、わざわざ女がいわないといけないんじゃないの!」。
こんなふうに「女」を強調する女房ですが、お酒が男の僕より数倍強いんです。「もう飲めない!」とギブアップの僕に「女の私に負けるなんて本当にダメな男ね」。「女の私」? あぐらかいて一升瓶を持つお前を、とても女とは思えないよ!
※週刊ポスト2015年5月29日号