国際情報

「慰安所で欲望ぎらつかせる韓国兵に恐怖感も」とベトナム人

 ベトナム戦争中、韓国軍が多くの婦女子を強姦・凌辱した事実を本誌は報じてきたが、さらにこのほど発見された米公文書により、ベトナムに「韓国軍慰安所」が存在していたことが判明した。

 韓国政府が沈黙を守る中、フォトジャーナリストの村山康文氏と本誌取材班はベトナムに飛び、その隠された史実を探った。

 * * *
 旧サイゴン市内には韓国軍専用の飲食施設があった。そのひとつが、市の中心部・フーニャン区の「ホンハーホテル」に店を構える「ハンクォック・クラブ(韓国クラブ)」だ。しかし、その実態は「クラブとは名ばかりの韓国軍慰安所のようなもの」(近隣住民)だったという。

 付近でヘアサロンを営むゴー・ヴァン・タムさんが語る。

「店では15~20人の若いベトナム人女性が韓国兵の相手をしていました。クラブで女性をピックアップし、上階のホテルに連れ込むシステムです。彼らは子供ができないよう、女性たちにピルを飲ませて行為に及ぶため性病が蔓延していたそうです。性病が元で命を落とした女性もいたと聞いています」

 避妊に失敗し女性が身ごもった場合も責任を取らず、韓国兵がそのまま帰国してしまうケースも相次いだ。そうしてできた子供は「ライダイハン」と呼ばれ、ベトナム戦争終結後も困窮と差別の中で生きることとなった。ベトナムには最大で2万人のライダイハンがいるとも言われている。

 当時、同ホテルの裏手に住んでいたホアン・ティ・バック・トゥエットさんは、欲望をぎらつかせる韓国兵に、得体の知れない恐怖を感じたという。

「ホテルの近くにある倉庫で、軍服を着た韓国兵たちが番号札を付けた女性を並ばせていたことがありました。何をするのか遠目に様子を窺っていると、彼らは福引の抽選機のようなものを持ち出した。セックスの相手を選ぶゲームをしていたのです。

 番号で選ばれた女性は、韓国兵に手を引かれどこかへと消えていきました。彼女たちがどのような女性だったのかは分かりませんが、このようなことをする韓国人がとても、怖かった」

 ベトナム戦争終結から40年。サイゴンからホーチミンへと名前を変えたベトナム最大の都市は近年急速な発展を遂げ、今や戦争の面影は残されていない。しかし、韓国軍がこの地で行った恥ずべき行為の数々は人々の記憶に深く刻み込まれている。

※SAPIO2015年6月号

関連キーワード

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン