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ワシントン条約で絶滅危惧種のパンダが日本の動物園にいる訳

 動物の値段は、生息数、入手の難易度、輸送の手間などによって決まる。中でも別格のお値段を誇るのがパンダだ。その仕入れ値は、オスとメスがセットで8億円以上(レンタル/10年契約の場合)。その意味を動物輸入卸商の白輪剛史氏が解説する。

「ワシントン条約で最も絶滅危惧のレベルが高い〈今すでに絶滅する危険性がある生き物〉に分類されている動物は、商業目的の国際取引が禁止されています。それに該当するジャイアントパンダは“ボランティア”の親善大使として中国からやってきます。ただし無償ではなく、パンダ保護資金として中国野生動物保護協会に寄付が必要です。1年あたり2頭で100万ドルほどが相場です」

 ワシントン条約は正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」といい、乱獲から動物たちを守るために取引を規制する条約だ。

 動物園にいる動物では他にも、ヨウスコウワニ、ベンガルトラ、ニシゴリラ、アフリカゾウ、アジアゾウ、インドライオン、クロサイ、アイアイ、タンチョウなどが〈今すでに絶滅する危険性がある生き物〉に該当する。

「それらも保護や学術目的で輸入され展示されますが、動物自体にはお金を支払わず、あくまで生息地での繁殖を進めるための『保護費用』などの名目で支払われます」(白輪氏)

※週刊ポスト2015年6月5日号

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