そもそもシャープの問題はかつてのキャッチコピー「目のつけどころがシャープでしょ」のように自社製品を自画自賛したところで思考停止してしまったことにある。デジタル家電はすぐにコモディティ化(*注)するのに、技術陣が強い会社であるため、わずかな技術アドバンテージにあぐらをかいてしまった。

【*注:コモディティ化/機能、品質、ブランド力などで競合する商品との差別化が困難になり、消費者に価格だけで選択されるようになること】

 その象徴が「亀山モデル」だ。三重県亀山市の工場で製造しているだけなのに、あたかも特別なブランドであるかのように宣伝した。

 ブランドとは「価格」に反映できる「価値」があるということだ。逆に言えば、そういう「価値」のないワン・オブ・ゼムになったら、ブランドではなく単なる商品コードになるのだ。ところが亀山モデルは、自分たちに特別な「価値」があると錯覚してしまった。

 そういう間違いは、往々にして技術者がやりがちだ。つまり、技術的には優れていてもユーザーから見ると差がないのに、それを差別化だと思い込んでしまうという間違いだ。しかし、価格に反映できない(ユーザーから見ればどうでもよい)技術は、差別化とは言わない。

 たとえば、すでに液晶テレビは人間の目が認識できる解像度を上回るまでに高性能化しているから大半の人々は、解像度よりも価格で商品を選んでいる。つまり、コモディティ化した領域においては、日本的なコスト積み上げ方式で競争したら、価格を維持できる差別化はできないのだ。

※週刊ポスト2015年6月12日号

トピックス

錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
現地取材でわかった容疑者の素顔とは──(勤務先ホームページ/共同通信)
【伊万里市強盗殺人事件】同僚が証言するダム・ズイ・カン容疑者の素顔「無口でかなり大人しく、勤務態度はマジメ」「勤務外では釣りや家庭菜園の活動も」
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン