ビジネス

当面の日本株 金融政策や為替の観点から非常に有望と専門家

 日本株が15年ぶりの高値水準で推移しているが、世界的に見て今の日本株の投資妙味はどれほどのものなのだろうか。海外投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が解説する。

 * * *
 世界的に株が上がりやすい市場環境となっている。日本では昨年10月に追加金融緩和、欧州でも今年1月から量的金融緩和がスタート。経済成長率が鈍化している中国も昨年来、利下げを断行している。

 そうしたなか、米国は量的金融緩和を終了したものの、景気の腰を折らないように利上げの判断を非常に慎重に進めており、依然として世界的にマネーが溢れている状況である。

 とりわけ米国は、金利の先高感から欧州や日本などの資金が流入する傾向が続き、好景気下の低金利という株高の好条件を備えている。この米国株を原動力に、世界中で株高傾向が続いている格好だ。

 ただ、実際の値動きを見ると、必ずしも米国株が強いわけではない。ドルベースで比較した世界主要市場の年初来株価の推移(1~4月)を見ると、いち早く量的緩和を終了した米国は経済情勢が一番よいはずだが、利上げ懸念やドル高、原油安からニューヨークダウが伸び悩んでいる。

 一方、ここにきてロシア(RTS指数)と中国(香港H株指数)が急反発しているが、インド(SENSEX指数)やブラジル(ボベスパ指数)は低調といえる。今後、米国の利上げが実施されれば、新興国に向かっていたマネーが引き揚げられることも予想されるため、新興国全体で見れば、手を出しにくい状況であることに変わりはない。

 そこで先進国に目を向けると、日本(日経平均株価)が年初来で約12%増と、欧州(ドイツDAX指数)を上回り、最も強い値動きを見せている。しかも、その強さは一時的なものではないだろう。

 仮にこの先、日銀の目標通りにインフレが進まなければ、さらなる追加金融緩和の可能性は高まる。今後期待される金融政策や為替動向といった観点から考えていくと、当面、世界で最も有望な市場は、やはり日本をおいてほかにはない。それが私の見方である。

※マネーポスト2015年夏号

関連キーワード

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン