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香港の若い市民の台湾への移民が加速 10年前と比べて4倍増

 香港が中国に返還されて、この7月1日で18年となるが、香港人の台湾への移民数が昨年、最も多い7000人を越えたことが分かった。台湾当局が移民の条件である台湾への投資金の最低額を従来の3分の1に減額したことも大きな理由とされるが、さらに香港人の台湾移民に拍車をかけているのは、中国共産党政権が政治・経済面で香港への締め付けを強化していることがあるとみられる。

 台湾内政部移民署によると、香港・マカオ地区からの昨年の移民は7498人に達し、一昨年の4724人に比べても62.3%増で、10年前の2004年は1773人だったので、4倍もの増加。その90%が香港人で、2012年から大幅に増加している。特に20代から40代の青年から壮年層が多いと同署の担当者は語っている。

 これは、香港では年々、マンションなどの住宅価格が急激に値上りしており、60平方mの新築マンションでも1億円を下らないほどだ。このため、若年層は香港では一生、自宅を持てないとの危機感が強く、香港に比べれば地価や物価が安く、言葉も通じる、中華文化圏の台湾は居心地がよいと考えているようだ。

 また、台湾当局が移民の法律を改正した点が大きい。これまで投資移民の投資最低額が600万台湾ドル(約2400万円)だったものが、現在では200万台湾ドルと大幅に引き下げられており、5年連続して年間183日以上台湾に定住していれば、簡単に台湾への帰化を申請できるからだ。

 とくに、香港の若い世代は台湾好きで、昨年の香港・マカオ地区からの観光客は137万5770人と、この10年来、毎年、最多記録を更新している。

 この傾向に拍車をかけているのが、最近の中国の香港への締め付け強化だ。香港トップの行政長官の選挙制度改革案では実質的に親中派でなければ立候補できず、立法会(議会)で否決されるなど、中国への反発が強まっている。

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