高須:もちろん、政府が対策しているからっていうこともあるんだけど、それもどこまでが正しいのかっていう問題もあると思う。だって、姉歯建築士のマンション耐震偽装事件があったでしょ。「大きな地震がきたら大変なことになる」なんて言われてたけど、まあ大丈夫だったわけじゃない。東洋ゴムの免震ゴム偽装問題だって、どんなもんかわからないよ。国は危機感を煽っているだけかもしれない、っていう疑問はあるけどね。
──耐震構造によっては、地震の時にむしろ揺れるというケースも多いですよね。
高須:だから、ビルの中の人はどうなってもいいから、建物だけを守ろうっていう考え方なんじゃないの? ビルが大丈夫でも、中で家具なんかが倒れてきて下敷きになっちゃうってのは嫌だねえ。
でもやっぱり、地震よりも火事と津波が怖いね。備蓄するのも重要だけど、住んでいる家が燃えやすいのか、海に近いのか、津波が来たらどこに逃げるかちゃんとわかっているか、っていうことのほうが重要。地震については、とりあえず建物の下敷きにならなければ、どうにか生きていけるっていう漫然とした自信があるんだよね。
──余談ですが、大きな地震の場合、携帯電話の緊急地震速報が流れるじゃないですか。あの音にドキッとしてしまうんですよね。心臓の悪い人なんかにはよくないような気もして…。
高須:車に乗ってる時に鳴ったら、すごく驚くし、怖いよね。特に高速道路で鳴ったら冷静な判断ができなくなっちゃう気がする。
西原:緊急地震速報は音がよくない。だから、松岡修造の声とかにすればいいと思う。適度にビビらせて、適度に安心させるっていう(笑い)。
高須:それはいいね! 多少和むくらいのほうが、無駄な事故も起きないだろうし。
* * *
個人的には特に災害に対する備蓄を行っていないという高須院長だが、火災や津波の恐ろしさについては、強く指摘していた。院長が言うように、自宅の耐火性や津波発生時の避難場所の確保だけは、しっかりとしておくべきだろう。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。