今回の伊紙報道は、FIFAの不正捜査が進めば、2002年の疑惑の解明も進むと報じる。イタリアの政治家・ラファエル・ラヌチは「日韓W杯で私たちが提起した疑惑が、今回の事件を通じて事実ということが明確になった」とまで語った。同様に、韓国への疑義を報じた国がもう1か国。やはり同大会準々決勝で韓国に敗れたスペインである。
この試合、優勢に進めていたスペインは、2度ネットを揺らすもゴール判定ならず。最初は、その前段にファウルがあったとして無効になり、次は、ゴールに直結するセンタリングを上げた選手がラインを割っていたと判定された。
スペインスポーツ紙「マルカ」(5月28日付)は、〈(今回逮捕された)ジャック・ワーナー副会長が日韓W杯の不公平な判定の中心人物である〉と報じた。
記事によればワーナー氏は、同試合でエジプト出身の主審、アール・ガンドゥル氏を直接指名。さらに副審は、ワーナー氏と同じ出身国のマイケル・ラグナス氏だった。このラグナス氏が、スペインの二得点を「幻のゴール」にした張本人だと綴られる。
現段階で、米司法省からの発表に審判買収といった余罪は記されていない。4年に1度の大舞台で苦杯をなめたイタリア、スペインの“意趣返し”に思えなくもない。
※SAPIO2015年8月号