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自撮り普及で整形需要は拡大 「隠している」罪悪感は消えず

「自撮りは整形の新ニーズを生む」と北条かやさん

「かわいいは作れる」という言い方がある。化粧によって別人のような美人になっていく過程を生実況する動画が話題を集めた5年前くらいからよく見聞きするようになったフレーズだ。かわいいを作るための究極の手段ともいえる整形だが、している女性が増えているらしいと言われながら公表する人は少ない。『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)でその深層に迫った北条かや氏に、整形する人たちの本音について聞いた。

 * * *
――なぜこれほど見た目を整えたい、いつまでも若い見た目でいたい傾向が強まっているのでしょうか?

北条かや(以下、北条):近代以降、写真というものが登場してから特に強まっていると思います。写真や映像メディアの登場が大きいですね。人々が見た目にこだわらざるをえなくなってきた。

――最近は写真を可愛く撮られるのが上手になっていると言われていますね

北条:コギャル世代の皆さんがすでに30代半ば~後半ですが、彼女たちがコギャルだったころに流行したプリクラの登場あたりから、顔の横に手を開いてポーズをとり小顔に見せるといった小さいテクニックが積み重ねられてきました。ギャルたちは現実より可愛く装えることを「盛る」「盛り顔」とよく言いますが、写真を含め様々な「盛る」テクニックが発達したのもそのころからです。

――自撮り・セルフィーがブームを通り越して当たり前になりつつあります。

北条:セルフィーが恥ずかしくない時代になったことには、自分もびっくりしています。セルフィーをSNSにアップするとき、全体的にシミを消すためぼやっとした感じにしたり、ピンクのフィルターで顔色をカバーして可愛く見せたりしますよね。その加工後の顔のほうが自分らしいと思っている人も増えていて、そこでまた整形のニーズが生まれるのではと思っています。

――でもSNSに写真を残していたら、整形する以前と比較されてしまいますよね。

北条:昔の写真を見られたくない人もいます。でも、大学進学など交友関係が変わるタイミングだとバレにくい。インタビューやヒアリングからは、積極的に昔の写真を見せることはしなくても、何が何でも絶対に隠したいとまでは思っていないことが浮かび上がりました。そう考える人は最初から整形しない。

 それに、一般的に思われているほど整形したことは見た目だけではわかりづらいと思います。整形もお化粧も経験がない男性はまず、わからないでしょうね。

――美容整形で一目でわかるほど大きな変化が現れることは少ないのでしょうか?

北条:もちろん、切れ長の目をしていた人が二重の切開をして大きな目になったらさすがにわかると思いますが、プチ整形程度の変化は気づけないでしょう。ロングヘアからベリーショートにするのと同時にプチ整形をしたら、施術にもよりますが、ほとんどの人が髪型へ目がいって、プチ整形には気づけないと思いますよ。この気づかれづらさが罪悪感を小さくしてくれています。

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