ラブグラフのHPやSNSの公式ページをみると、撮影を依頼したカップルの写真が数多く掲載されていることにも驚かされる。
「撮影したカップルに掲載のお願いをすると9割くらいがOKです。撮ると、載るのが当たり前だと思っているようですね。追加料金で写真をイラストにするサービスもしているのですが、そちらも人気です。写真だと人に見せるのに照れくさいけれど、イラストなら大丈夫だと思っているみたいです」
写真の撮影サービスといえば、子どもの写真を撮るスタジオアリスが少子化時代にも関わらず急成長していることで知られている。またカップル写真といえば、十代のユーザーが多い10秒動画サービス「MixChannel(ミックスチャンネル)」のスライドムービーがよく知られている。しかし、どちらもラブグラフのライバルではないと駒下さんは考えている。では、何がライバルなのか?
「自撮り棒です。誰でも写真を撮れる時代だけれど、家族で撮るとお父さんが写っていなかったり、スマホに残っている写真を見るとプリクラ風やわざとらしいポーズの写真だらけだったり。承認欲求を満たすための写真は10年後、20年後に思い出として振り返るものになりづらいです。ラブグラフは普通の感情、普通のよい思い出を残したい人のニーズに合っているのだと思います」(前出・駒下さん)
結婚記念日の記念写真についてのアンケート調査で、やってみたいこととしてもっとも人気を集めたのは「普段の感じをナチュラルに撮影」(31.8%)だった(株式会社みんなのウェディング調べ)。また、自分の遺影写真は「普段着で笑顔の遺影」(56.8%)にしてほしいと望む人が大半だ(株式会社アスカネット調べ)。
一昔前は、人生の節目には町の写真館へ行って記念写真を撮るものだった。これからは、折に触れ普段の感じの写真をプロカメラマンに撮影してもらい、思い出として残すものになるのかもしれない。