国際情報

中国の食品不安 蝋で磨いた果物や寄生虫びっしりの豚肉流通

 中国は、GDP世界2位の超大国となったものの、「食の安全」に関してはいまだ後進国と言わざるを得ない。中国問題に詳しいジャーナリストの相馬勝氏は、最新刊『習近平の「反日」作戦』(小学館刊)で、身の毛もよだつような恐ろしい話を紹介している。

 * * *
 中国製食品への不信感は年々強まっている。上海では2014年7月、上海福喜食品が使用期限切れの肉を加工食品に使っていた事実が発覚。同社はマクドナルドやケンタッキーフライドチキンにそれらの食品を卸しており、大問題になったことは記憶に新しいが、「こんなのは中国ではざらだ」とジャーナリストは軽く笑う。

 2015年に入ってから、中国の牛乳メーカー大手の「蒙牛」は製造日が「2月30日」という、ありえない日にちのパック入り牛乳を販売し批判を浴びた。最近では灰と墨汁を使ったラーメンや、ロウソクの蝋で磨いた果物や亜硫酸漬けの桃、羊肉の代わりにネズミの肉を使ったシシカバブが売られていたことが分かり、中国全土に衝撃が走った。

 四川省政府農業庁は2014年7月下旬、ホームページで、寄生虫の一種で、長さが1mm程度の嚢虫(有鉤条虫)がびっしりと付いた豚肉が流通していると注意を呼びかけた。その肉を食べると、嚢虫が血管を通って脳にたどり着き脳腫瘍のような塊になる脳嚢虫症を起こす危険性が高い。

 北京では同年7月下旬、焼き肉店をチェーン展開している北京漢麗軒で、客が残した肉や野菜などを次の客に使い回ししていたとして、北京市当局が営業停止処分を下した。同社は北京市内に28店舗、地方に180以上の店舗を擁している大企業だ。北京のメディアはこれらの肉を「よだれ肉」と呼んで大きく伝えた。

 さらに、中国の福建省では、2つのグループが養豚業者から病死した豚を安く買い取り、これらの豚肉をひき肉やハムなどに加工して、2010年から5年間で合計2000トンも売りさばいていたことが分かった。中国各紙が2015年4月、報じたもので、犯人グループは12人いたが、彼らはこれらの豚肉を一切食べていないという。ネット上では「死刑にしても怒りは収まらない」との声が数多く寄せられている。

※相馬勝・著『習近平の「反日」作戦』より

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン