国際情報

中国の嘘はギリシャ以上 バレた時に中国共産党政権が終わる

 上海の株式市場は一進一退を続けている。小康状態に見えるが、これは当局がなりふり構わぬ介入策を展開しているためだ。上場銘柄の半数以上を売買停止する強引な手法は、市場原理を停止させたも同然だった。

 投資を煽る政府に踊らされた投資家たちは怒りに震えている。介入策は一時しのぎになっても、やがて本格的に売買を復活させれば、再び暴落圧力にさらされるだろう。

 そもそも中国経済は昨年夏に不動産バブルが崩壊し、収縮に向かっていた。政府の公式発表はまったく信用できない。李克強首相も「自分はエネルギーと物流で判断する」と言っているくらいだ。

 石炭の生産量と販売量でみれば、8月時点で前年同期比マイナスに陥っていた。国内総生産(GDP)は公式発表の7%成長どころではなく、せいぜい3%程度かマイナスの可能性さえある。

 もっとおかしいのは外貨準備高と対外純資産だ。簡単に言うと、普通は輸出で稼いだドルが対外資産の源になる。そこから負債を引いた分が対外純資産だ。企業は国内費用支払いのため稼いだドルの一部を売却して自国通貨に変えるから、放っておくと(中国の場合はドル売り人民元買いで)自国通貨高になる。

 そこで中央銀行が自国通貨を売り、ドル買い介入する。その結果、たまるのが外貨準備だ。中銀が買うドルはあくまで企業が稼いだ分の一部なのだから、普通の輸出国なら外貨準備高が対外純資産を上回ることはない。

 日本はどうかといえば、外貨準備1.2兆ドルに対して対外純資産は3兆ドルだ。ところが中国は外貨準備が3.8兆ドルもあるのに、対外純資産は1.7兆ドルしかない(数字はいずれも2014年末)。

 これは何を意味するか。外貨準備の大きな数字が正しいとすれば、純資産を上回っているのだから、資産負債両建て表記の定義から、差額の2兆ドル以上は借金になる。そうだとすると中国は金持ちの輸出大国というイメージと違って、実は大変な借金大国という話になる。

 あるいは少ない純資産が誤りで、実は統計に出ていない「隠し資産」があるかもしれない。中国共産党の幹部たちが軒並み、巨額の資産を海外に隠しているのは、よく知られている通りである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン